青木崇高:太平洋戦争捕虜第1号を演じ、試写で号泣「酒巻さんに感謝」 

会見に登場した青木崇高さん
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会見に登場した青木崇高さん

 俳優の青木崇高さん(31)が8日、主演するNHKの土曜ドラマスペシャル「真珠湾からの帰還~軍神と捕虜第一号~」(名古屋放送局制作)の完成試写会見に出席した。70年前の12月8日に小型潜水艇「甲標的」で真珠湾攻撃に出撃し、太平洋戦争の捕虜第1号となった故酒巻和男さんを演じた青木さんは「改めて酒巻さんに感謝があります。どんな状況でも強く生きていこうとされた精神、生きていこうという力は何よりも尊いものだと思います」と泣きながら話した。

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 ドラマは、実話を基に自らの運命に向き合い、生きていこうとする男の姿を描いた。1941(昭和16)年、「甲標的」の搭乗員に選ばれた酒巻和男少尉(青木さん)は、愛媛県の佐田岬半島の三机で訓練に励んでいた。その年の12月8日、酒巻ら10人は5艇の「甲標的」に乗り込み、真珠湾攻撃に参加するが、9人が戦死。大本営は戦死者9人を「九軍神」とたたえ、ただ一人生き残って太平洋戦争での捕虜第1号となった酒巻の存在を隠そうとする。米国内で捕虜生活を続ける酒巻は、なぜ自分だけが生き残ったのか、生かされた自分は何をすべきなのかを考えていく……という物語。映画「金融腐蝕列島・呪縛」「ローレライ」などの鈴木智さんが脚本を手がけた。

 会見は東京・渋谷のNHK放送センターで行われた。この日、会見直前の試写で初めて完成作を見たという青木さんは、目を真っ赤にして会見に登場。試写の感想を求められると「えー」と言ったきり、言葉にならず、うつむいて涙を流した。会見には「甲標的」攻撃隊のリーダー岩佐直治大尉役の平岳大さん(37)も出席し、「我々が生きているこの平和な時代が、いろんな人の犠牲の上に成り立っているということを心から感じさせてくれた作品」と話した。放送は10日午後9時~10時半。(毎日新聞デジタル)

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