呪術廻戦 懐玉・玉折/渋谷事変
第36話「鈍刀」
11月14日(木)放送分
話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、死者の霊「幽鬼」が見える少女と、個性的なキャラクターたちの姿を描いた中華コメディー「双界幻幽伝」(木村千世著、くまの柚子画)です。エンターブレインのビーズログ文庫編集部に作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
ヒロインは、とある過去から引きこもりになってしまっていて、幽鬼(幽霊)が見える能力を持っています。なんせ引きこもりなので、とにかく何事にもヤル気がない&口ぐせは「おウチに帰りたい……」という少女小説のヒロインとしてはあるまじき言動(笑い)。それに対する見た目に反し案外と面倒見がいいヒーローのツッコミが、甘いだけではないラブの楽しみ方をできるところでしょうか。個性的なキャラクターたちのかけ合いがクセになるコメディーですが、幽鬼事件を解決しながら、それぞれの過去にも少しずつ向き合っていくという人間ドラマ的な部分もぜひ楽しんでいただきたいです。
−−作品が生まれたきっかけは?
著者の木村千世さんから「次回作は中華と和風だとどっちがいいですか?」と聞かれ、「中華で!」と即答しました。聞いた瞬間に、木村さんの描くコミカルなキャラクターたちが中華風の世界で動くところが目に浮かび、早く読みたいとワクワクした記憶があります。その中で、主人公は、前作「アルビオンの夜の女王」がとても前向きで元気な女の子だったので、まったく逆の性格にしようという話になりました。ある意味冒険でしたが、木村さんならできると確信しました。
−−作家さんとイラストレーターさんはどんな方でしょうか?
木村さんは、ご自身の描かれる作品のヒロインそのままの(注:引きこもりではないですが・笑い)、とても素直で頑張り屋さんな方です。一方でとてもユーモアもある方で、ストーリーの中にコメディーとほんわかせつない部分があるのも、木村さんという人間をまさしく投影しているのではないかと思います。
イラストのくまの柚子さんは、当時すでに各レーベルで活躍されはじめていた時期で、その華やかなイラストが世界観にぴったりな上に、中華ものは初というフレッシュなコンビになると思い依頼しました。表紙裏に落書き的なイラストが入っているのですが、これはくまのさんがいつも楽しんで描いてくださっているもので、お二人は実は脳がつながっているのではないかと思うくらいキャラクターを200%表しているものです。一見していただければわかりますが、制作側もものすごく楽しみながら作り上げています!
−−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。
上記にもあるとおり、本当に木村さんとくまのさんの息がぴったり合っていて、文章だけでも楽しめるのですが、イラストが入った時、まさしく一つの作品が完成した!という爽快感は毎回たまりません。
あとは、とにかくキャラクターと見せ場が多いので、挿絵の指定をするのに毎回悩みます。指定作業は、「人間あきらめも大事」と心の中で念じながらやっています(笑い)。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
とにかく読者さんに楽しんでもらおう、そして自分たちも楽しもうとやってきたシリーズも、3巻まできてさらに勢いづいてきました。現在、全国の書店さんで書き下ろしショートストーリー付きの特典がもらえたり、くまのさんのイラストやマンガが複製原画で見られるフェアも開催していますので、見かけましたらぜひご覧ください。また、ヒロインは果たして成長して脱引きこもりできるのか!? そして“珍獣”扱いからも抜け出せるのか、ストーリーもさらなる展開を予定しています。未読の方もぜひご一読ください!
エンターブレイン ビーズログ文庫編集部
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