杏:幼なじみ・三浦貴大と夫婦役に「絆を感じた」 山田太一ドラマ「キルトの家」

ドラマ「キルトの家」の完成試写会に登場した杏さん(左)と三浦貴大さん
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ドラマ「キルトの家」の完成試写会に登場した杏さん(左)と三浦貴大さん

 女優の杏さん(25)が16日、東京都内で開かれた山田太一さん(67)が原作・脚本を手がけるドラマ「キルトの家」(NHK)の完成試写会に三浦友和さん(59)と山口百恵さん(52)の次男で俳優の三浦貴大さん(26)ら共演者と登場した。ドラマで杏さんは、幼なじみの三浦さんと夫婦役を演じており「貴ちゃんと夫婦役か……と思ったけど、知らないわけではない人と夫婦役をできたのはよかった。初めて一緒にやる中で、絆のようなものを感じられた」とコメント。三浦さんは「年齢も近く、昔から知っている人と(夫婦役を)できたのはうれしかった。僕は(杏さん演じる妻に)尻に敷かれる役なので、思いっきり敷かれました」と話し、杏さんの演技を「“すごいな”と思った。役に入り込んでいく集中力は見習わなければいけない」と絶賛した。

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 ドラマの舞台は、都会の団地。被災地から安住の地を求めて団地にやってきた空(三浦さん)とレモン(杏さん)の若い夫婦は、団地に住む老人・勝也(山崎努さん)と知り合い、自立した人生を送りたいと願う高齢者が集まる“キルトの家”に案内される。空とレモンは、世話人の一枝(松坂慶子さん)に「仲間に入らないか?」と誘われ、キルトの家に通うようになるが、次第に団地に住む人々の関係性などが分かり、空とレモンも“普通の夫婦”ではないことが明らかになる……というストーリー。孤独な老人たちと若い夫婦が意地を張り合い、ときには本音をぶつけ合いながら、絆を深めていく姿をユーモアを交えながら描く。キルトの家に集まる高齢者を女優の佐々木すみ江さん、緑魔子さん、俳優の北村総一朗さんらが演じる。

 試写会には、山崎さん、松坂さん、山田さんも登場。杏さんは、山崎さんらベテランとの共演について「本読みのときに、山崎さんが既にせりふが入っていることにすごくびっくりしました。自分が少し恥ずかしくなった。現場でもたくさん発見がありました」と語り、三浦さんも「本当に芝居が好きな人ばかり。僕も好きだけど、そこまで芝居を愛せるようになりたいと思えた」と話すように驚きの連続だった様子。山崎さんは「僕は山田作品に何度か出演していますが、(台本を)一字一句間違えずに覚えるようにしています。これは拷問みたいなもので」と淡々と語り、山田作品について「小津(安二郎)作品や黒澤(明)作品のように、少し見ただけで誰の作品か分かる。それだけ個性の強いシナリオなので、(せりふを変えたり、間違えると)味わいが違ってしまうんですね」と話した。

 また、山崎さんは撮影を終えた感想を「自分ができることは全部やったという満足感があります」と話し、三浦さんも「今やれることは全部できたと思う。自分によって宝物のような作品になりました」と喜んだ。杏さんは「1枚のキルトの中の1枚の布になれたと思います。素晴らしい作品に参加させていただけました」と自信を見せていた。

 総合テレビで28日、2月4日午後9時から前後編として放送する。(毎日新聞デジタル)

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