注目映画紹介:「キツツキと雨」 無骨な木こり役の役所と気弱な映画監督の小栗がハマり役

映画「キツツキと雨」の一場面 (C)2011「キツツキと雨」製作委員会
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映画「キツツキと雨」の一場面 (C)2011「キツツキと雨」製作委員会

 役所広司さんと小栗旬さんが初共演した「キツツキと雨」が11日に封切られる。監督は「南極料理人」(09年)の沖田修一さん。役所さん演じる武骨な木こりと、小栗さん演じるゾンビ映画を撮ることになった気弱な映画監督の交流を描いた、ほのぼのとした物語だ。

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 木こりの岸克彦(役所さん)が暮らす山あいの村に、ゾンビ映画の製作のためにやって来た映画監督の田辺幸一(小栗さん)率いる撮影隊。だが幸一は、新人ゆえに自信が持てず、周囲のベテランスタッフやキャストたちに明確な指示を出すことができない。そんな彼を、ひょんなことから克彦が手助けすることになり……というストーリー展開。

 不器用ながら根は優しい克彦役の役所さんと、常におどおどした幸一役の小栗さんが、いずれもハマり役。役所さんが、あそこまで朴訥(ぼくとつ)とした男はめずらしいというほどの田舎者を熱演すれば、一方の小栗さんは、自身の映画監督としての経験を生かし、幸一を好演する。克彦の息子役で高良健吾さんが出演するほか、臼田あさ美さん、伊武雅刀さん、山崎努さんらが出演し、物語に風情と厚みをもたらしている。

 沖田監督と守屋文雄さんが共同で脚本を書いたオリジナルストーリー。別段大きな事件が起こるわけでもなく、日常の中での人間同士のさりげないやりとりと、彼らの成長をつづる。俳優たちによるせりふの間合いが絶妙で、ときおりくすくすと笑えて、心がほんのり温かくなる作品だ。11日から角川シネマ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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