人気作家・貴志祐介さんのミステリー小説「悪の教典」が、俳優の伊藤英明さん主演で映画化されることが6日、明らかになった。伊藤さんが演じるのは、生徒や周囲から高い評価を受けるさわやかな高校教師でありながら、実は恐るべきサイコパス(反社会性人格障害)という主人公・蓮実聖司。メガホンをとるのは三池崇史監督で伊藤さんとのコンビは「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」(07年公開)以来。伊藤さんは「再度タッグを組みたかった三池崇史監督とともに、映画史上、最凶最悪の主人公を目指します」と“ダークヒーロー”になりきる決意を語っている。
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「悪の教典」(文藝春秋刊)は、10年7月の発売当初から多くの話題を集め、「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」でともに第1位を獲得するなど高い評価を得て、累計30万部を突破したヒット作。“ハスミン”の愛称で親しまれるなど、生徒から絶大な人気を誇り、周囲からも高い評価を受ける笑顔がさわやかな高校教師が、実は他人への共感能力がない恐るべきサイコパスだったから起きる、学園を舞台にした生徒の惨殺事件を描いており、「悪」とは何かを問いかけていくサイコサスペンスだ。
伊藤さんは「原作を読んで主人公・蓮実の発する絶対的な『悪』に、鳥肌が立つほどの恐ろしさを感じました。この役を演じていくうちに、自分の人格が蓮実にのみ込まれてしまわないかちょっと心配です。と同時にこれ程の強烈な『悪』に挑戦することができて、役者冥利に尽きると思っています」とコメント。三池監督は、伊藤さん演じる“ダークヒーロー”の魅力をR指定も辞さない“衝撃作”として存分に描くつもりといい「私は、主人公“ハスミン”の奴隷だ。もう誰にも止められない」と熱いメッセージを寄せている。
原作者の貴志さんは主人公のキャスティングについて、「まさか『海猿』の伊藤英明さんとは! 正義の味方のイメージが強すぎて思いつかなかったのですが、最高の配役だと確信しました。蓮実役に最も必要な『強さ』がありますし、好青年のマスクに見えるダークなものを演じられる稀有(けう)な役者さんだと思います」と太鼓判を押しており、「監督はというと、もう、三池さんしか考えられません。バイオレンスがおはこというだけでなく、繊細な感性で細部まで計算され尽くした演出をされる監督だと思う。三池監督と伊藤さんの最強タッグで、すでに傑作になることは確信しています」と期待を寄せている。
映画「悪の教典」は、11月に全国東宝系でロードショー予定。(毎日新聞デジタル)
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