お笑いコンビ「COWCOW」の多田健二さんが20日、ピン芸人日本一を決める「R-1ぐらんぷり2012」の決勝戦に出場し、6度目の挑戦にして10代目のR-1王者に輝いた。「応援してくれたお客さん、スタッフさん……、相方に感謝したい」と涙で声を詰まらせた多田さんは、番組終了後の会見では、「コンビで19年やってきまして、M-1とかキングオブコントとか、THE MANZAIとかコンビでやってきたけど決勝には行けなくて、『苦労したな』と思ってまして、ちょっと相方のことを思い出したら泣いてしまいました」と照れくさそうにほほえんだ。
ウナギノボリ
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多田さんの優勝の陰には相方の山田與志さんのサポートがあった。山田さんは自宅ガレージを開放し、多田さんがネタを練習する「R-1予備校」を行ったり、ネタについての具体的なアドバイスを与えていたといい、「R-1予備校を作って、二十数人を集めて、ライブやって、そこでネタが練れた。昨日もR-1予備校がガレージでありまして、そこで相方にアドバイスもらって今日に臨んだ」「『このネタはやめとけ』とか、『このネタはいいぞ』とか、全部相方のアドバイス通り今日はやったという感じですね」と相方への感謝の言葉が次々に口をついた。
6回目の挑戦で初めての決勝進出だった多田さん。これまで山田さんが4度決勝に進出していることから複雑な思いもあった。「相方がつっこみなんです。ボケの僕が決勝に行けず、突っ込みの相方が4年連続行ってたのはなかなか複雑。『頑張れ』と思ったが、『優勝まではするなよ』という気持ちだった」と胸中を明かしつつ、「相方は4年連続決勝に行ってるんで、ぼくは1対4で負けてると思ってた。今回(決勝が)初めてで優勝して、ようやくとんとんかな」とすがすがしい笑顔を見せた。
賞金500万円の使い道について「以前相方が(S-1バトルで)1000万円をとったことがあって、1割の100万円をもらったので、リアルに言うと1割の50万は相方に渡す予定。あとはお世話になったスタッフさんとか、箱とか台を作ってもらった大道具さんに料金を払いたい」と説明。相方の存在について聞かれると「うまく僕を動かしてくれる操縦士というか、家族以上のつきあい、家族以上の存在ですね」と白い歯をこぼしながら感謝した。「今年優勝しようがそうじゃなかろうが、今年が最後だと思っていたので、R-1は卒業してコンビの活動に力を入れたい」と“コンビ愛”をにじませ、相方と2人での飛躍を誓った。(毎日新聞デジタル)
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