在日コリアン2世のヤン・ヨンヒ監督による最新作「かぞくのくに」が4日、公開される。これまでヤン監督は、2本のドキュメンタリー作品「Dear Pyongyang ディア・ピョンヤン」(05年)や「愛しきソナ」(09年)で、父親や北朝鮮で暮らす親族らにカメラを向け、“家族”というものを撮り続けてきた。今作でも彼女のその姿勢は変わらない。ただそのスタイルが、自身の体験を基にしたフィクションであるという以外は。70年代初頭、帰国事業で北朝鮮に移住した兄ソンホが、病気治療のために3カ月間だけ日本に戻ることを許される。25年ぶりの再会を喜び合う両親と妹リエ、そしてソンホ。彼らそれぞれが抱える葛藤が静かに描き出されていく。
あなたにオススメ
「豊臣兄弟!」では池松壮亮が! 大河ドラマ“秀吉俳優”史を振り返る
帰国事業とは、59年から84年まで続けられた北朝鮮への集団移住のことで、当時、北朝鮮を“地上の楽園”とした啓蒙(けいもう)やマスコミ報道によって、日本社会での差別や貧困に苦しむ9万人以上の在日朝鮮人とその家族が北朝鮮に渡った。ヤン監督も幼いころ、その帰国事業で北朝鮮に渡る3人の兄を見送っている。
ヤン監督の分身といえる主人公リエを演じるのは、「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」(09年)や「愛と誠」(12年)に出演している安藤サクラさん。ソンホ役は今年、ARATAから改名した井浦新さん。そして両親を津嘉山正種さん、宮崎美子さんが演じる。
北朝鮮は理解しがたい国であり、今作によって、その思いはますます強まる。だが、今作のテーマは北朝鮮のシステムについてではなく、あくまでも家族、親子、兄妹の、それぞれを思い合う心だ。それを象徴する一つが、映画の終盤で突然の帰国命令を受けたソンホのために、宮崎さん演じる母親がとる行動だ。息子を思う母の愛が痛いほど伝わってくる。4日からテアトル新宿(東京都新宿区)ほか全国で順次公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
映画「ゴジラ」のイベント「ゴジラ・フェス」内で上映された「フェス・ゴジラ4 オペレーション ジェットジャガー」「フェス・ゴジラ5 怪獣大決戦」に登場するジェットジャガーのソフトビ…
歌手の氷川きよしさんが8月に開催した活動再開コンサート「KIYOSHI HIKAWA+KIINA. 25thAnniversary Concert Tour ~KIIZNA~」の…
通算31作目となる「ゴジラ」の新作映画が製作されることが11月1日、明らかになった。同日、日本テレビ系で放送された「ゴジラ-1.0」(山崎貴監督)の放送後に発表されたもので、監督…
俳優の松重豊さんが、主演の人気ドラマ「孤独のグルメ」(テレビ東京系)を監督・脚本も務めて映画化する「劇映画 孤独のグルメ」(2025年1月10日公開)の主題歌を、ロックバンド「ザ…
10月28日に発表された25~27日の映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)によると、山田風太郎さんのファンタジー小説を俳優の役所広司さん主演で映画化した「八犬伝」(曽利文彦監…