カナダで開催した「第36回モントリオール世界映画祭」が3日(現地時間)閉幕し、最終日の授賞式で、高倉健さんの6年ぶりの主演映画「あなたへ」が人間性の内面を豊かに描いた作品に贈られるエキュメニカル審査員賞の特別賞を受賞した。
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「あなたへ」が同映画祭のワールドコンペティション部門に正式出品されたため、高倉さんは現地に赴き、2日(現地時間)の会見と公式上映に出席。高倉さんは3日の授賞式前に行われたレッドカーペットイベントにも参加し、同映画祭の最高責任者であるセルジュ・ロジークさんと腕を組みながらゲストの先頭を切って笑顔でレッドカーペットを歩いた。授賞式では各賞の説明をする通訳に耳を傾け、受賞者に惜しみない拍手を送るなど、高倉さんは18年ぶりに参加した海外の映画祭を楽しんだ様子。「ロジークさんにお礼が言えてよかった」と同映画祭で99年に「鉄道員(ぽっぽや)」で高倉さんが主演男優賞を受賞した際、現地には来られなかったため、今回は「13年前のお礼がしたい」という願いはかなえられ、高倉さんにとって充実した映画祭への参加となった。
「あなたへ」が今回受賞したエキュメニカル審査員賞特別賞は、人間性の内面を豊かに描いた作品に与えられる賞で、コンペティション部門以外の審査員により選出された。授賞式で市川南エグゼクティブプロデューサーは「多くを語らずとも相手のことを思いやるという日本的な感情を表現したこの作品が国際的に評価されたことは大変光栄です」とあいさつした。邦画で同賞を受賞したのは86年の「それから」(森田芳光監督)以来。なお、エキュメニカル審査員賞は、83年に「未完の対局」(佐藤純彌監督・段吉順監督)、91年に「戦争と青春」(今井正監督)、95年に「深い河」(熊井啓監督)、06年に「長い散歩」(奥田瑛二監督)が受賞している。(毎日新聞デジタル)
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