ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、「死神姫の再婚」(小野上明夜著、岸田メル画)です。エンターブレインビーズログ文庫編集部に作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
結婚式で新郎が暗殺され、死をもたらす「死神姫」と呼ばれるようになった没落貧乏貴族の娘・アリシア。そんな彼女を血筋目当てで“買い取った”、成り上がり貴族のカシュヴァーン。
これだけだと重い印象を受けますが、何といってもこの作品を普通の少女小説の枠にとどめていないのが、ヒロイン・アリシアの天然の魅力です。お金と怪奇小説が大好きな彼女がカシュヴァーンに対し「お買い上げありがとうございます!」と言ってのけるシーンはまさに圧巻(笑い)。暴君と呼ばれるほどのカシュヴァーンがアリシアに翻弄(ほんろう)され、どんどん「夫ばか」になる過程から目が離せなくなります。
そして多彩な登場人物がそれぞれ過去を乗り越えながら「家族」になっていくホームドラマ的な側面もあり、人の「光と影」とも呼ぶべき部分のメリハリが利いた深い世界観をぜひ楽しんでいただきたいです。
−−作品が生まれたきっかけは?
第9回えんため大賞ガールズノベルズ部門にて奨励賞を受賞した作品です。
当時は「B’s−LOG文庫」として創刊したばかりで初めての新人賞でしたが、まずはタイトルセンスに脱帽。中身を読んで編集部全員一致で受賞が決定したという非常にレアな作品で、少女小説でありながら男性・女性問わず楽しめるキャラクターと世界観を持っているところが高く評価されました。
−−作家さんとイラストレーターさんはどんな方でしょうか。
著者の小野上明夜先生はとても視野が広く、作品作りにストイックな方。よく打ち合わせでお互いにオススメの本の話をするのですが、編集として勉強不足を痛感させられます(笑い)。確固としてぶれない芯を持ちながら気配り上手な一面もあり、深いエピソードの中に読者を楽しませる会話や仕掛けを忘れない、作品通りの方だなと思います。
イラストレーターの岸田メル先生は、当時は女性向けの作品に携わられてはおらず、反対の声もありました。しかしいざお願いしてみると、少女小説であることを深く考え、女性以上に女性らしい細かな部分までこだわってくださいました。いつも、男性とは思えないほどの華やかさ・柔らかさあふれるイラストを描いてくださいますが、カバーイラストのアリシアの眼鏡のある・なしは、岸田先生のこだわりの部分でもあったりします。
−−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。
編集は当然最初の「読者」になるわけですが、いつも原稿とイラストをいただいたときにいい意味で裏切られ、「やられた!」と思うことでしょうか。おふたりの魅力が最大限に合わさってこその「死神姫」を、一刻も早く読者の皆様に読んでもらいたいと思いますね。
逆に大変なのは、やはり長期シリーズ故の登場人物の数でしょうか。いつもモノクロイラストで全員を描いていただくことができず、泣く泣くあきらめる人も何人か……それでも、夫婦のいちゃいちゃシーンは必ずお願いしようと頑張っております。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
皆様に支えられ、おかげさまで本編としては15冊を超える長期シリーズとなりました。「金で買われた花嫁」だったアリシアが、恐れられるだけの「暴君」だったカシュヴァーンが、何を手に入れ、どう変わったのか。本編は一つの決着がつき「シルディーン編・完結」となりますが、アリシアとカシュヴァーンの「最強(!?)夫婦」はまだまだとどまりません! この後にもさらなる展開をもくろんでおりますので、ぜひご期待ください。
メディアミックスとしてはダブルコミカライズされており、「コミックビーズログ キュン!」にて冨士原良先生に文庫1巻を、白泉社様「花とゆめonline」にて夏目コウ先生に文庫2巻を、とても魅力的に描いていただいております。
また、2013年春には舞台化されることが決定いたしまして、新しい形での「死神姫」を皆様にお届けできそうです。さまざまな形で展開していく「死神姫」ワールドを、これからもよろしくお願い致します!
ビーズログ文庫編集部
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