ボクシング:仙台で29年ぶり世界戦 チャリティーマッチで「復興の力に」 プロデューサーが見どころ語る

1 / 22

 ボクシングのWBCバンタム級王者の山中慎介選手(帝拳)、WBCフライ級王者の五十嵐俊幸選手(同)のダブル世界タイトルマッチが3日、「ゼビオアリーナ仙台」(仙台市太白区)で行われる。東北復興チャリティーマッチという位置づけで、29年ぶりとなる仙台での世界戦に、東日本大震災の被災地を中心に約2000人を無料で招待する。イベントと無料放送の生中継番組を手がけるWOWOWの大村和幸エグゼクティブプロデューサー(EP)は、「会場から少し行けばまだ仮設住宅がいっぱいあって、まだまだ立ち直っているとはいえない。そういう人たちの思いをこの興行に乗せたい」とイベントにかける思いを語っている。(毎日新聞デジタル)

あなたにオススメ

 WOWOWでは、昨年の東日本大震災以来、「エンターテイメントにできること。」というメッセージを掲げ、俳優やアーティスト、スポーツ選手らのメッセージ動画をウェブ上で公開したり、今年3月には米歌手のシンディ・ローパーさんと共同でチャリティーライブも開催するなど、被災者ら日本人の気持ちを明るく前向きにする企画や番組作りに取り組んでいる。今回のイベントもその一環で、帝拳プロモーションとWOWOWが主催し、後援には地元紙の河北新報社なども名を連ねた。

 3日のダブル世界戦では、山中選手が元WBCスーパーフライ級王者のトマス・ロハス選手(メキシコ)、五十嵐選手が世界フライ級7位のネストール・ナルバエス選手(アルゼンチン)と対戦。会場には、宮城県を中心に被災地の高校ボクシング部の生徒など2000人を無料招待する。大村EPは「今回、初めてボクシングを見るという人も多いと思う」として、会場にはモニターや掲示物を通常より増やし、放送内でも情報量を多くするなど、ボクシングファン以外への分かりやすさも心がけるという。

 山中、五十嵐両選手は2日、対戦相手とともに仙台市内で会見。がれき撤去のボランティアにも参加するなど被災地支援を行ってきた山中選手は「まだまだ本当に大変だと思うので、少しでも自分が頑張って元気や勇気を与えたい。体調もいいし気合十分。明日は必ず勝ちます」と力強く宣言。秋田県由利本荘市出身の五十嵐選手も「いつも以上に地元から応援が来てくれているので、それに応えたい。絶対に勝ちたい。初めてボクシングを見るという人にも、ボクシングってすごいものなんだと思ってもらえる熱い試合をしたい」と意気込んだ。

 大村EPは「人間のパワーというのは、ある程度の技術があると、あとは気持ちだと思う。この(対戦相手も含む)4選手は技術的にはほとんど横並び。あとはいかに気持ちが強いか。気持ちの強い方が勝つんです。その気持ちの強さを見てもらいたいですね。それが復興の力にもなるはずだと僕は思っています」と真摯(しんし)な表情で語っていた。

 WOWOWでは、「TOUCH!WOWOW2012 いいね♪3チャンネルの日」と題して、3日午前10時~午後10時まで12時間にわたって無料放送を行う。ドラマや映画、音楽番組など多彩なラインアップの中でも、今回のダブル世界戦は「WOWOWライブ」チャンネルの目玉企画だという。中継番組は午後4時45分から同チャンネルで生放送。番組には元WBCスーパーバンタム級王者の西岡利晃選手もゲストで出演する予定。(毎日新聞デジタル)

写真を見る全 22 枚

テレビ 最新記事

MAiDiGiTV 動画