テリー伊藤:若者にエンタメ論を講義 大人番組リーグ「エンタメ大学」

「エンタメ大学」に出演するテリー伊藤さん
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「エンタメ大学」に出演するテリー伊藤さん

 演出家でタレントのテリー伊藤さんが、大学生など約300人の若者にバラエティー番組を中心としたエンターテインメントについて30分間にわたって講義する番組「エンタメ大学」がWOWOWで12月2日に放送される。このたび、東京都内で講義の収録が行われ、収録終了後、テリーさんが取材に応じた。意外にも大学などでの講義の経験がほとんどないというテリーさんは、講義に込めた思いを「業界に対して恩返しがしたいという気持ちがあった。若いときは、お金も知識もない。でもチャレンジができる」と語り、「今日、来てくれた方はいい表情で見てくれた。話しやすかったですね」とうれしそうな様子だった。

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 「エンタメ大学」では、プロデューサーや演出家、俳優などとして活躍するテリーさんがテレビ業界で仕事をするようになったきっかけや制作サイドの裏側などについて講義した模様をノーカットで放送する。番組は、コンセプトが異なる12種類の番組を毎週1本ずつ放送するWOWOWの新番組枠「大人番組リーグ」の一企画として放送され、視聴者のインターネット投票によってレギュラー化する4番組が選出される。「大人番組リーグ」は放送済みのテレビ誌「TV Bros.」が企画する「TV Bros.TV ~異色テレビ誌・テレビブロスがテレビになったよ。~」や「大坂夏の陣 兵士募集」など架空のCMを制作する「時空CM」(12月16日放送)などがラインアップされている。

 テリーさんは、日本のエンターテインメントについて「特異な進化をしている独特の文化。例えば、アキバ発のカルチャーは日本独自もの。それに、ボーダーラインがなくなっていて、『ビートたけしのTVタックル』は昔だったら政治討論番組といわれていたけど、今はエンターテインメントですよね」と説明しながら、「講義を聞いてくれた人は、これから10年たてば、(制作側の)中心になる。(表現の場が)ウェブなのかテレビなのかは分からないが、さらに進化したものを作ると思う。いつの時代も優秀な人はいる。近ごろの若者は……というのはない。僕が想像しないようなエンターテインメントを創造できるかもしれない」と若者に期待を寄せている。

 一方でテリーさんは、進化するエンターテインメント業界に対して「不安がある」とも語る。「日本はB級グルメで満足する風潮があるが、B級グルメばかり食べていると、本当においしいものを食べる能力がなくなる。それと一緒でちゃんとしたものが理解されなくなるかもしれない。ただ、それも難しいところで、日本はB級を作る才能があるのかもしれない」と危機感を示しながらも、「大衆は正直。B級グルメばかりが求められない時代がくるかもしれない。そんなに心配することもないんじゃない?」とも話す。

 最後に「『大人番組リーグ』で番組を企画するなら、どんな番組を作りたいか?」を聞くと、「江戸時代にゴジラが攻めてくるドラマ。刀とヤリで戦ったり、落とし穴で戦うと面白いんじゃない? そんなにお金をかけないでやりたいですね。いつも企画ばかり考えているんです。今度、企画書を書きますよ」とうれしそうに話していた。

 「大人番組リーグ」はWOWOWプライムで毎週日曜午後11時に放送。「エンタメ大学」は12月2日に放送予定。(毎日新聞デジタル)

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