宇宙飛行士・古川聡さん:モロボシ・ダンと対談 「子供のころの自分に自慢したい!」

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 1967~68年に放送された特撮番組「ウルトラセブン」で主人公のモロボシ・ダン隊員を演じた俳優の森次晃嗣さん(69)と、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の現役宇宙飛行士・古川聡さん(48)の対談が実現した。「ウルトラセブン」がきっかけで宇宙飛行士になったという古川さんは「大人になっても感動できるような大作。時間がたっても古くならない」と同作を絶賛し、対談を終えると「モロボシ・ダンは、過去形でなく今もあこがれの人。夢のようです。子どものころの自分に自慢したい!」と感激していた。

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 対談は、米テキサス州ヒューストンのJAXA事務所にいる古川さんと東京都内にいる森次さんとをテレビ電話でつないだテレビ会議形式で行われた。森次さんが「本当にセブンをきっかけに宇宙飛行士になったの?」と聞くと、古川さんは「本放送のときは幼すぎて分からなかったんですが、幼稚園、小学校くらいで再放送をしていて、宇宙に強く興味を持つきっかけになりました」と答えた。特に好きなのは第8話「狙われた街」でダンとメトロン星人がちゃぶ台をはさんで対峙(たいじ)するシーンだといい、「戦うんじゃなく、話し合うのが衝撃だった。宇宙人とは話し合わなければいけない(笑い)。セブンが訪ねてきてくれたらうれしいなと思って(宇宙では)窓の外を見ていました」とちゃめっ気たっぷりに語った。

 森次さんは「初めてのセブンの撮影が一番印象的。エレキングの出た第3話『湖のひみつ』だ」と答え、「(ダンの出る)本編の撮影は順調だったんだけれど、特撮の撮影は大変で、3日間完徹(完全徹夜)もあった。水中の撮影は実際に水に入るから、何十秒も撮れないんだ……」と裏話を明かして古川さんを喜ばせた。森次さんが一番好きだという最終回については「本当に最後に撮影したから『さよなら、アンヌ』も(気持ちを込めて)言えた。あの回のせりふはいまだに忘れられません」と振り返り、古川さんも「感動的なシーンです」とうなずいていた。

 一方、森次さんは古川さんに「実際はどう? 宇宙食っておいしいの? 寝るときはどうするの?」と宇宙での生活に興味津々。「宇宙食はお湯を注いで、袋を切ってスプーンで食べます。レトルトや、ドライフルーツも、意外とおいしいですよ。寝るときは体を固定したりもしますが、僕が一番いいと思うのは、そのまま浮いて寝ること。リラックスしてよく眠れますよ」と古川さんが答えると、森次さんは「宇宙に行ってみたいね……」と思いをはせていた。

 「ウルトラセブン」は、宇宙からの侵略にさらされる地球を守るために戦うウルトラ警備隊とウルトラセブンの物語。SF色が強く、宇宙人と地球人の共存といったテーマや、ダンとアンヌ隊員の恋愛も盛り込まれた物語の面白さ、ウルトラホーク1~3号などのメカ要素、メトロン星人やキングジョーなど個性豊かな宇宙人たちも人気を博し、シリーズの中でも“不朽の名作”といわれる。WOWOWでは、「ウルトラセブン」ハイビジョンリマスター版で30日正午から第1~8話、年始は午前9時から、13年1月1日に第9~14話(12話除く)、2日に第15~22話、3日に第23~30話、4日に第31~37話を一挙放送。森次さんと古川さんの対談の様子は、1月1日のスペシャルトークコーナーで放送される予定。(毎日新聞デジタル)

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