ゴールデンボンバー:カット、ボツは当たり前 体張る「金爆一家」の魅力をプロデューサーが語る

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 4人組ビジュアル系エアバンド「ゴールデンボンバー」(金爆)の地上波初の冠番組「金爆一家」(フジテレビ、毎週土曜深夜1時35分~)の放送がスタートして約4カ月がたった。深夜に放送される関東ローカルの5分番組でありながら、同バンドの人気と相まって、これまでに取材約30本を受けるほど注目度は高い。また全国のファンから「自分が住んでいる地域でも放送してほしい」と要望が相次ぎ、関東エリア外での放送を願う嘆願書が届くほどの人気ぶり。番組では、下ネタ発言のカットや過激すぎてボツとなる企画も多いといい、出演オファーの際、同バンドから「『体を張らせてもらえるなら』と言われたのが印象的」と振り返る難波加奈子チーフプロデューサーに話を聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 「金爆一家」は、映画や商品の情報をコント風に紹介するバラエティー番組。12年10月に放送をスタートした。メンバーは4人兄弟という役どころで、鬼龍院翔さんが次男「しょう」、樽美酒研二さんが長男の「けんじ」、喜矢武豊さんが三男「ゆたか」、歌広場淳さんが四男「じゅん」にふんし、同バンドのマネジャーがその母親にふんしている。

 ◇目玉は体を張った「お仕置き」 過激すぎてボツになった案も

 番組の目玉は、毎回兄弟の1人に対して行われる「お仕置き」だ。兄弟が母親の留守に「プレゼントをくれる大人」を家に入れ、プレゼントをもらうが、そのことが母親にばれて「お仕置き」を受ける……という設定で行われる。メンバーは、熱湯入りの水風船を投げつけられたり、頭の上に金ダライを落とされたり、顔から泥に突っ込んだりと、ビジュアル系バンドとは思えないほど体を張って笑いを取る。

 番組は「決まりごと以外は、できるだけ彼ら(金爆メンバー)のやりたいように」という方針で、お仕置きの内容はメンバーと制作陣が会議をし、メンバーの意見や希望を尊重して決定している。しかし、メンバーから出されるお仕置き案は「木にくくりつけられて花火をぶつけられる」「髪の毛をしばり、カッター付きの無線操縦機を操作して、その毛を切る」「爆竹を全身につけて爆発したい」など、過激すぎて実現不可能なことが多い。

 難波プロデューサーは、メンバーが「手を抜いているって思われたくないから、(過激で)構いません」と話していることを明かし、その気持ちをくみながら毎回、「これならできるというギリギリの線」を探っているという。また「みんながお仕置きをやりたがる。みんなが平等に大変な思いをする“おいしさ”をあげないといけない」と、お仕置きが1カ月に1度、全員に回るように配慮している。

 ◇5分の冠番組が金爆らしい

 「金爆一家」の誕生は、11年ごろに難波プロデューサーがウェブ動画などで金爆の存在を知り、「見たことのないエンターテイナーだ」と注目したことから始まった。12年に入り、他の番組のレギュラー出演者としてオファーをしたものの、実現せず、その後、今回の枠を手がけることになって、再度オファーをした。

 しかし最初のオファー後、金爆は瞬く間にテレビなどでの露出が増えて知名度を上げ、幅広い層から人気を獲得。そんな中、2度目のオファーが実を結んだ理由を難波プロデューサーは「冠番組なのに5分という、彼ららしさで(出演を)考えるテーブルに載せてもらえた」という。また「『体を張らせてもらえるならぜひ(出演したい)』という言い方をされたのが印象的だった」と振り返る。「お仕置き」はこの要望を基にできあがった。

 ◇魅力は4人のバランス 下ネタにも寛大

 金爆の魅力は「4人のバランスが絶妙ですばらしい」という。「誰かが突出しているのではなくて、フォローし合って全員がうまくいいバランスで見える」と分析し、「(4人が)平等に人気があるのもすごい」「エアバンドという発想自体が、二度と誰もまねできない」と続けた。さらに「(ボーカルの)鬼龍院さんが曲を作って歌っているという確固たる土台がある。ライブパフォーマンスもすばらしい。そこから派生して(それぞれに)才能とキャラがあり、感じたことのない面白さがある」と挙げた。

 また「すごく謙虚で礼儀正しい青年たち。カメラが回って、『ここまではじけてください』って言うと本当にその中でやってくれる。加減がわかるし、最初からやりやすかった」と全幅の信頼を置いている。

 金爆といえば、紅白歌合戦の時「下ネタ発言」で注目を集めたが、アドリブで構成されている部分が多いこの番組の収録でも下ネタが飛び出すことが少なくない。それでも「自由にやってもらっている」という姿勢は崩さず、「それ(下ネタ)も含めて(収録を)止めずにやってもらう。使えないところは多いけど、その方がみんな生き生きしてるんですよ」と寛大に見守っている。

 「金爆一家」が関東ローカルでのみ放送されていることを嘆くファンの声は多く、番組ホームページへ寄せられた2000件近いというメッセージの約半数が「自分の住んでいる地域でも放送してほしい」という趣旨のものだという。また2月初旬に全国のファンの声を集めた嘆願書が難波プロデューサー宛てに届いている。現在、関東地区以外での放送は決定していないが、今後、何らかの形で全国で見られる日が来るかもしれない。

 ゴールデンボンバーは04年に結成。ボーカルが歌う以外は楽器を当てぶりするだけで演奏しないというエアバンド。インディーズレーベルに所属しながら、その独特のパフォーマンスで話題を呼び、12年の大みそかに行われた「第63回NHK紅白歌合戦」に初出場した。今年は5月1日から全国ツアー「ゴールデンボンバー ホントに全国ツアー2013 ~裸の王様~」がスタートする。

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