注目映画紹介:「相棒シリーズ X DAY」伊丹と岩月の動と静コンビで人気刑事ドラマのスピンオフ

「相棒シリーズ X DAY」の一場面 (C)2013「相棒シリーズ X DAY」パートナーズ
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「相棒シリーズ X DAY」の一場面 (C)2013「相棒シリーズ X DAY」パートナーズ

 人気のドラマ「相棒」の劇場版シリーズ最新作「相棒シリーズ X DAY」が23日に公開された。捜査1課の伊丹刑事とサイバー犯罪対策課専門捜査官・岩月の相棒を描くスピンオフ作品。シリーズ初期のような熱血漢&冷静沈着なコンビで送るスピンオフ作品。ドラマも手掛ける橋本一監督と櫻井武晴さんの脚本コンビで緊張感のあるエンターテインメント作品となった。

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 銀行員の死体と燃やされたお札が発見された。警視庁捜査1課の刑事、伊丹憲一(川原和久さん)とサイバー犯罪対策課の岩月彬(田中圭さん)は早速現場に駆け付けた。被害者は東京明和銀行本店システム部の中山(戸次重幸さん)で、ネットへの不正アクセスと機密情報漏えいの疑いでサイバー犯罪対策課からマークされていた人物だった。伊丹は殺人事件として、岩月は不正アクセス容疑として捜査する。互いにいがみ合いながら事件を追っていく先に、政官財の権力構造と金融封鎖計画「X−DAY」が浮かび上がってくる。さらに謎のデータバラまき事件もからんできて……という展開。

 「相棒 season11」のドラマ上では伊丹と岩月は「事件で知り合った仲」ということになっていた。その「事件」がこの映画の中にあった。キャラクター同士のぶつかり合いが面白いこのシリーズで今作は「刑事の勘対データ主義」という分かりやすい図式になっている。昭和の刑事ドラマの泥くささと「サイバー犯罪」という現代が混ざり合っていて、実際の会社にいそうなデジタルに弱いおじさんと頭でっかちな若者を見ているようで面白い。現場一筋の伊丹刑事は、捜査1課の「トリオ・ザ・捜1」の1人。ドラマでのコミカルな役どころを生かしつつ、映画らしい骨太さも出ている。犯人を追う執念深さは、映画という長尺な作品だからこそ描けたものだろう。なんとしても顔を出さなければならなかった右京(水谷豊さん)や神戸(及川光博さん)の出番の設定がやや苦しいが、ファンサービスということで許してあげてほしい。23日から丸の内TOEI(東京都中央区)ほか全国で公開。(キョーコ/毎日新聞デジタル)

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