「幸せのちから」(06年)で親子共演を果たしたウィル・スミスさんと息子のジェイデン・スミスさんが、7年の時をへて再共演した話題作「アフター・アース」が、21日から全国で公開される。千年後の地球を舞台に、驚きのサバイバルドラマが展開していく。
ウナギノボリ
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西暦3072年。環境破壊によって地球は人類が住めない状態に陥り、人類は別の惑星で暮らしていた。あるとき、偉大な軍人である父サイファ・レイジ(ウィルさん)と宇宙遠征に出た13歳の士官学校の候補生キタイ(ジェイデンさん)は、宇宙船のトラブルによって見知らぬ惑星に不時着する。キタイは負傷して動けない父に代わって、自分たちの惑星に帰るための緊急シグナル「ビーコン」を探しに行くことになる。実は、彼らが不時着したところは、はるか昔に人類が捨てた地球であり、今では生物たちが独自の進化を遂げ、恐ろしい惑星と化していた……という展開。
プロデューサーも兼ねたウィルさんが原案を作り、「エアベンダー」(10年)や「シックス・センス」(99年)などを手がけたM・ナイト・シャマラン監督が、ゲイリー・ウィッタさんと共同で脚本を手がけ、メガホンをとった。そのシャマラン監督は、今作において「なぜ人は、未知のものにおびえるのかという疑問に魅了された」という。その言葉通り、今作にあるテーマの一つは「恐怖」。化け物“アーサ”が、人間の恐怖心を感知し襲いかかるというアイデアは面白く、そのアーサの姿形も今作における見どころの一つだ。また、いつも笑顔のウィルさんが、悲しみをたたえた父親に徹しているのも新鮮に映る。
ただ、父子共演をうたうわりに、2人が一緒にいる場面が少なかったのは残念。壮大なアクションも期待しない方が無難だ。むしろ疎遠になった父と息子が、どのように関係修復を図るのか、あるいは偉大な男を父に持つ息子の葛藤や、それを見守る父親の心情など、父と子の物語として向き合う方がよさそう。お父さんが年ごろの息子と一緒に見にいくというのもありかもしれない。21日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌の編集、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。先日、近所のスーパー銭湯に初めて行った。湯につかり、ご飯を食べ、また湯につかり……。思いのほかゆっくりできた。また行こうと思う。
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