話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は「終わりのセラフ」(鏡貴也さん作・山本ヤマトさんイラスト)です。講談社ラノベ文庫の栗田晃宏さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
−−この作品の魅力は?
なんといっても主人公である一瀬グレンがカッコいいです! 高い実力を持ち、野心も胸に秘めながらも、家柄や置かれた境遇のせいで自由に力を発揮することができない。それでも、自分にできること、できないことを一つ一つ確かめながら、自分の目標にまい進する、主人公にふさわしいキャラクターです。鏡先生の作品ではカッコいい男性キャラクターが多数登場するのですが、その中でも個人的には1、2を争うカッコよさだと思います。
−−作品が生まれたきっかけは?
なぜ小説は講談社で出ていて、マンガが集英社さんから出ているのか?と疑問に思う方もいらっしゃると思いますが、すごく単純です。もともと集英社の編集さんとお付き合いがありまして「何か面白いことを組んでやりたい」という話を以前からしていました。その中で、山本先生の前作「紅 kure−nai」(マンガ版)の連載が終了するので、新たに原作の方を探してオリジナル作品を作りたいということになり、相談をしていました。それとは別に鏡先生とも新作のお話をさせていただいていたのですが、集英社さんとの取り組みについてお話をしたところ非常に興味を持ってくださり、実現しました。
−−作家さんとイラストレーターさんはどんな方でしょうか?
鏡先生は、もともと人気シリーズを複数執筆していて、さらに月刊連載のマンガ原作も始まっているため、非常にお忙しくしてらっしゃいます。でも、どのお仕事も楽しそうに、かつ全力で取り組んでいるので、一緒にお仕事をすることが楽しいです。
山本ヤマト先生は、寡黙な方なのですが常に高いクオリティーのイラストをあげてくださいます。コミックも大人気のため「ジャンプSQ.」(集英社)で毎月のようにカラーページがあるので、進行が大変そうです(笑い)。
−−編集者としてこの作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。
同じ世界観で小説とコミックが展開する、しかも講談社と集英社という別の会社で、という業界でも珍しい試みなので、常に楽しんでいます。大変なこととしては、鏡先生、山本先生のお二方とも非常にお忙しいので、スケジュールに無理がないようにと意識しています。あとは、やはり原稿をいただいて読むときは興奮しますね。グレンがとにかくカッコいいんです!
−−今後の展開は?
コミックと小説で展開しているので、コラボなどで連動していきたいと思います。また、集英社さんの方でVOMIC(音声付きコミック)にもなっています。こちらもぜひ注目していただきたいです。
−−最後に読者に一言お願いします。
コミックスが2冊、小説も2冊出版されて、少しずつ世界の謎が明らかになっていっています。リンクした部分と違う部分、それぞれでももちろん楽しめますが、両方を読んでいただくとより楽しめる作りになっています。小説版は、サブタイトルの通り世界が破滅することは決まっていてそこに向かって進んでいますが、その中で一瀬グレンが何を思い、何をするのか、ご注目ください!
講談社ラノベ文庫 栗田晃宏
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