民放テレビ:秋の改編出そろう バラエティー番組にメス

10月改編ではフジテレビとTBSのダウンタウンの番組にメスが入った
1 / 1
10月改編ではフジテレビとTBSのダウンタウンの番組にメスが入った

 民放テレビ局の10月期の新たな番組編成が出そろった。8年間続いたTBSの「リンカーン」、フジテレビの「爆笑 大日本アカン警察」や「ピカルの定理」が終了し、日本テレビもゴールデンタイム(午後7時~10時)に新番組をラインアップしており、テレビ東京も人気番組「モヤモヤさまぁ~ず」を30分拡大するなど、人気番組も含めてバラエティーにメスが入れられた。各局の改編状況をまとめた。(毎日新聞デジタル)

ウナギノボリ

 ◇日テレ、視聴率「3冠王」奪還へ“6分”&午後7時台強化

 日本テレビは、4月にスタートした「赤丸!スクープ甲子園」(月曜午後7時)、昨年10月から放送されていた「快脳!マジかるハテナ」の2番組が8月で終了しており、後番組として、月曜午後7時には有吉弘行さんが司会の番組「有吉ゼミ」、木曜午後7時は「フットボールアワー」の後藤輝基さんがゴールデン帯のレギュラーMCに初挑戦する「あのニュースで得する人損する人」がスタート。ゴールデンタイムの入り口となる午後7時台を強化する。

 また、報道番組「NEWS ZERO」の放送開始時間を6分間遅らせ、月~木曜は午後11時ちょうどからのスタートに変更。合わせて、「しゃべくり007」などの人気番組が並ぶ午後10時台(バラエティー3枠、ドラマ1枠)を6分間拡大する。昨年はテレビ朝日に首位の座を明け渡したプライム帯(午後7~11時)を強化し、視聴率「3冠王」奪還を狙う。

 ◇好調のテレ朝、強力ドラマで3冠狙う 「やじうま」消滅も

 昨年プライム帯で視聴率トップを獲得し、今年も好調をキープしているテレビ朝日は、4月期に続いて、ゴールデン、プライム帯のバラエティー番組の改編はなし。ドラマでは人気の「相棒」シリーズの最新作や昨年民放ドラマ最高の数字を記録した米倉涼子さん主演の「ドクターX」が復活。プライム連覇に向けて強力な布陣が敷かれた。

 また、今回の改編では、朝の情報番組「やじうまテレビ!」をリニューアルし、新番組「グッド!モーニング」(毎週月~金曜、午前4時55分~8時)としてスタートさせることが決定。1985年から番組タイトルに冠されてきた「やじうま」の文字が消えることになったが、2012年度はプライム帯、ゴールデンタイムの2冠を獲得している同局が、朝の帯番組を強化することで全日帯も含めた視聴率3冠を目指す。

 ◇フジ「ピカル」「アゲる」「アカン警察」終了 午後8時台強化へ

 世帯視聴率でテレビ朝日、日本テレビに次いで3位に甘んじているフジテレビの改編で注目を集めたのは、4月にゴールデンタイムに昇格したばかりの「ピカルの定理」とダウンタウンがMCの日曜午後8時の「爆笑 大日本アカン警察」の終了だ。「ピカル~」の後番組には、3月まで期間限定レギュラーとして放送されていた「世界行ってみたらホントはこんなトコだった!?」がレギュラーで復活、「アカン警察」の後番組には、同じくダウンタウンがMCのバラエティー番組(タイトル未定)がスタートする。

 また、今回の改編では、金曜午後8時にドラマ枠「金曜ドラマ」を新設し、民放最多という七つのレギュラードラマ枠を用意。新設ドラマ枠を含め午後8時台の強化が打ち出された。全日帯でも、平日午後帯の情報番組「アゲるテレビ」を終了させ、午後2時~4時50分枠には2時間サスペンスや連続ドラマを再放送することが発表された。同時間帯の情報番組「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ・日本テレビ系)や人気ドラマ「相棒」(テレビ朝日系)のリピート放送など強力なライバルに対抗したい考えだ。

 改編率は全日帯(午前6時~深夜0時)21.7%、ゴールデン帯(午後7時~10時)22.0%、プライム帯(午後7時~11時)26.9%とやや高めとなった。同局の大多亮常務は「首位奪還に向けての大きな動きをしていかなければ。その第1弾にしないといけない」と語っている。

 ◇TBSは「常識を超えたチャレンジ」

 TBSは、大ヒット中のドラマ「半沢直樹」の後番組として、SMAPの木村拓哉さんがアンドロイドと天才物理学者の二役を演じる異色のドラマ「安堂ロイド~A.I.knows LOVE?~」を投入するほか、夕方のニュース番組「Nスタ」(月~金曜午後4時50分)のスタート時間を1時間前倒しして、ドラマの再放送が多い午後4時台(午後3時50分)から放送。プライムタイムへの流れを改善する狙いだ。

 改編率は、全日(午前7時~深夜0時)17.8%、ゴールデン(午後7~10時)18%、プライムタイム(午後7~11時)23.2%と高くはないが、4月の改編でニュースやノンフィクション、ドラマなどを強化した路線を引き継ぎつつ、今回の改編を“第2段階”と位置づけており、同局では今回の改編を「常識を超えたチャレンジ」としている。

 バラエティー番組では、「ダウンタウン」らが出演する「リンカーン」が終了し、火曜午後10時の後番組には同コンビがMCを務める教養バラエティー「100秒博士アカデミー」がスタート。3日に終了した音楽番組「火曜曲!」(火曜午後9時)の後番組には、「ウッチャンナンチャン」の内村光良さんがMCを務める深夜番組「内村とザワつく夜」が昇格するなど、バラエティー番組にメスが入れられた。

 ◇テレ東は「モヤさま」「そうだ旅」拡大へ

 テレビ東京は、日曜の人気番組「モヤモヤさまぁ~ず2」(モヤさま)の放送時間を1時間半に拡大し、「ウッチャンナンチャン」の内村光良さんがMCの深夜番組「そうだ旅(どっか)に行こう。」を火曜のゴールデンタイムに“昇格”させ、こちらも30分拡大の1時間半で、それぞれ午後6時半から放送。ゴールデン帯の入り口となる午後7時台の視聴率アップに注力する。

 また、27年間続く旅番組「いい旅・夢気分」が「にっぽん!いい旅」(水曜午後8時)と番組名を変えてリニューアル。金曜のゴールデンタイムには、午後6時半~7時54分に新番組「腹ペコ!なでしこグルメ旅」をスタートさせ、午後8時~同54分には連続ドラマ枠「金曜8時のドラマ」を新設、第1弾として俳優の船越英一郎さんが主演する「刑事吉永誠一 涙の事件簿」を放送する。改編率は、全日帯で11.3%、プライム帯が23.7%、ゴールデン帯が28.7%となった。

 13年の視聴率競争が決着する年末までの最後のクール。どの局が今年最後に笑うのか、今年もあと3カ月、テレビから目が離せない。

テレビ 最新記事