最近、一部の鉄道ファンのマナーの悪さが何かと話題になっていますが、何が彼らをあんなに熱くさせるのでしょうか? それは製造された機関車の造り込みや空気抵抗などのデザインに、人間の英知の結晶ともいうべきすごみを感じるからではないでしょうか。それと歴史かもしれません。鉄道にフォーカスした内容は、テレビ番組でもよく取り上げられており、広く一般にも評価されるのは素晴らしいことだと思います。
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そして3月31日の羽田空港には、鉄道とはまた違うマニア垂涎(すいぜん)の機材(航空機のこと)を見るため、多くの見物客でごった返しました。長年、日本の空を飛び続けてきた「ジャンボジェット」の名称で愛されたボーイング747のラストフライトだったからです。
ジャンボジェットの機体のデザインは実に魅力的です。機内キャビンを二層化したために、機体に前部に独特のふくらみをもったグラマラスなスタイルは他を圧倒する迫力を備えており、機内には2階に上がるための独特の階段が設置されていました。他の旅客機と異なる空間の広さや、その仕様はゴージャスで、居室の独特な雰囲気を演出したものでした。あの階段が高級感や特別な感覚を演出していたことはマニアの方のみならず異論のないところでしょう。高度成長期には日本航空(JAL)では和服の客室乗務員(当時はスチュワーデスと呼ばれていた)が存在していたことも、今となっては“伝説”です。
ジャンボジェットは、機材重量、燃費とメンテナンスコストこそ新機種に劣るものの、旅客輸送量はもちろんのこと、静音性、安定性、速度などは現在ある新機種に劣りません。日本の高度成長期からバブル期をへて、大量消費、大量移動時代を支えたジャンボジェットの退役の理由は、老朽化、燃費、維持コストなど多々あります。今後はメンテナンスに優れた777(トリプルセブン)などの機種にリプレースされていくようです。
ファッションがファストファッションの出現により、着飾ることから、単なるグッズになったことと近い感覚ではないでしょうか。かつての旅客機は旅を楽しむものだったと思います。しかし、今では格安航空会社(LCC)の登場で、単なる目的地への移動手段になってしまいました。ゴージャスで、過剰なスペックを誇ったジャンボ。効率化、エコ時代の流れといってしまえば簡単ですが、一方で寂しさを感じるのも事実です。蒸気機関車のD51がいまだに走っているように、「ジャンボジェット」にも別の価値が付加される時代が来てほしいと思うのです。
くろかわ・ふみお 1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、映画・映像ビジネス、ゲームソフトビジネス、オンラインコンテンツ、そしてカードゲームビジネスなどエンターテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。黒川メディアコンテンツ研究所所長。黒川塾主宰。
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