テレビ質問状:ノンフィクションW「ブラジル代表を蹴った男 ジエゴ・コスタ」スペイン代表として

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 WOWOWは、毎週金曜午後10時に「ノンフィクションW」枠を設け、オリジナルのドキュメンタリー番組を放送中だ。この枠では、見る人を新しい世界へと誘うフルハイビジョンの“ノンフィクションエンターテインメント”番組をWOWOWプライムで毎週、テーマを変えて放送している。6月27日に放送される「ブラジル代表を蹴った男 ジエゴ・コスタ~スペインのために闘う覚悟~」を担当したWOWOWスポーツ部の瀧口創プロデューサーに、番組の魅力を聞いた。

ウナギノボリ

 −−番組の概要と魅力は?

 今、スペイン代表の一員として「2014 FIFAワールドカップ(W杯)・ブラジル大会」を戦うジエゴ・コスタ。ブラジル人でありながらスペイン国籍を持つ彼は、昨年10月に母国ブラジルではなく、スペイン代表でプレーすることを選択しました。

 今季、欧州で一番ブレークしたクラブであるアトレチコ・マドリードの最大の立役者となったMFジエゴ・コスタ。最も旬で、最も注目を集めた選手の一人である彼の奮闘や知られざる過去のエピソードを追いながら、スペイン代表選択という前代未聞の決断の真意に迫るドキュメンタリーです。

 −−今回のテーマを取り上げたきっかけと理由は?

 きっかけは昨年10月にジエゴ・コスタがブラジル代表の招集を断り、スペイン代表でのプレーを選択したことです。ブラジル人にとって、ブラジル代表でプレーすることは一番の憧れ、一番の栄誉。しかも翌年には母国開催のW杯に出場できるという一生に一度あるかないかのチャンスをつかめるかもしれないというのに。

 スペイン代表を選択するという決断の真意を知りたかったし、これだけの決断をくだした後に彼がどんな活躍を見せ、果たしてスペイン代表のW杯出場メンバーに選ばれて特別なブラジル凱旋を遂げるのかを追いかけたいと思い、企画しました。

 −−制作中、一番に心がけたことは?

 とにかく中途半端な取材にならないようにしようと心がけました。ジエゴ・コスタの決断の背景にある真意を探りながら、今季の活躍を追うべく、WOWOWがリーガ・エスパニョーラを11シーズンにわたって放送してきた中で培ったネットワークや情報を駆使して取材を重ねました。過去の重要なエピソードを証言する人物を調べ、母国ブラジルやサッカー選手として育ったスペインで取材を重ねました。そしてついにはジエゴ・コスタ本人への独占インタビューが実現できました。今季、大きな注目を集めた彼の独占インタビューを実現したメディアは世界的にも数少なく、大変貴重なインタビューとなっています。

 −−番組を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったエピソードは?

 うれしかったことは、今シーズンジエゴ・コスタが、企画段階での予想を大きく上回る活躍を見せ、ブレークしたことです。ゴールを量産し、所属クラブのA・マドリードを18年ぶりにリーグ優勝、そしてUEFAチャンピオンズリーグでは40年ぶりの決勝進出へと導く快挙を成し遂げました。そんな最も勢いに乗る、最も旬な選手の一人を追うことになったのはうれしい誤算でした。

 ただ一方で、それは困難にもなりました。あまりにブレークして注目を集めたことで取材がとても難しくなり、インタビューが実現できず不安になった期間がしばらく続きました。独占インタビューはシーズン終盤の5月にアポなしでマドリードに飛び、クラブの練習場に通い続けて、やっとのことで実現できたものです。かなり綱渡りな取材になりましたが、無事にインタビューが撮れたときは、制作チーム一同歓喜しました。

 −−番組の見どころを教えてください。

 本人の独占インタビューをはじめ、昔の恩師、チームメート、そして家族まで、充実した取材ができたことでジエゴ・コスタの知られざるエピソードや一面を知ることができます。試合で見せるプレースタイルや行動から獰猛(どうもう)で気性の荒い悪役的なキャラクターに思われるジエゴ・コスタですが、それとは全然違う人物像が見えてくるでしょう。

 そしてどのようにして現在(いま)の活躍を見せるまでに成長したか、そしてどうしてスペイン代表を選択したかを理解することができるでしょう。

 −−視聴者へ一言お願いします。

 W杯ブラジル大会、スペインの初戦となったオランダ戦でジエゴ・コスタは先発出場しました。彼がボールを持つとスタンドからは大きなブーイングが浴びせられたのですが、彼はまったくひるみませんでした。それだけ強い覚悟をもって、スペイン代表の一員としてこの大会に臨んでいます。彼のこの強い覚悟の理由が番組を通して伝えられればと思います。

 番組をご覧いただき、ジエゴ・コスタの魅力を感じて、彼のことを応援したくなっていただければ幸いです。

 WOWOW スポーツ部 プロデューサー 瀧口創

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