テレビ質問状:ノンフィクションW「日本のアクションを変える男 谷垣健治」「るろ剣」現場に密着

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 WOWOWは、毎週金曜午後10時に「ノンフィクションW」枠を設け、オリジナルのドキュメンタリー番組を放送中だ。この枠では、見る人を新しい世界へと誘うフルハイビジョンの“ノンフィクションエンターテインメント”番組をWOWOWプライムで毎週、テーマを変えて放送している。9月19日に放送される「日本のアクションを変える男 谷垣健治~香港の現場から映画『るろうに剣心』へ~」を担当したWOWOWの映画部の小野秀樹プロデューサーに、番組の魅力を聞いた。

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 −−番組の概要と魅力は?

 この夏に公開された映画「るろうに剣心 京都大火編」とその続編「るろうに剣心 伝説の最期編」。ダイナミズムあふれる立ち回りが、大きな話題です。そのアクション監督が谷垣健治さん。アクション監督とは、立ち回りの演出だけでなく、カット割りの提案や編集までを手がけるアクションシーンの責任者。映画の撮影現場に4カ月密着し、日本のアクションを変えてやる!という谷垣さんの情熱を追いかけました。

 −−今回のテーマを取り上げたきっかけと理由は?

 「アクション監督・谷垣健治」の名前を最初に知ったのは、雑誌「映画秘宝」の一読者として。谷垣さんはこの映画雑誌に「アクション・バカ街道」というコラムを連載中で、創刊号からのこの雑誌の読者だったので「俺はアクション映画が好きなんだッ!」という叫びが聞こえてくるような熱い内容に、いつかは谷垣さんの映画の現場をドキュメンタリーにしたいと思っていました。

 −−制作中、一番に心掛けたことは?

 スタントマンは、高所から飛び降りる危険なシーンの代役というイメージがあるかもしれません。しかし、谷垣さんは、危険なスタントを含む映画のアクションは「高度に頭脳と肉体を使う創作活動なのだと分かってほしい」と語ります。谷垣さんが俳優へのアクション指導はもちろん、カメラアングルやカット割りの監督への提案、編集までも手がけるのは、その創作活動の一環。番組スタッフとしては、現場の立ち回りやスタントの激しさだけでなく、その背後にある谷垣さんの高度な創作の軌跡を浮き彫りにしたいと思っていました。

 −−番組を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったエピソードは?

 映画の撮影現場に4カ月近くも密着。その上、中国映画のアクション監督をオファーされた谷垣さんに同行して、番組ディレクターは香港にも同行。気が付けば、取材映像は200時間近くに上りました。しかも、「るろうに剣心」の大友啓史監督、出演者の佐藤健さんや伊勢谷友介さんも快くインタビューを受けていただきました。膨大な取材映像を見返して、谷垣アクション演出の核心部分はどこと探し出すだけで、とてつもない時間が……。

 −−番組の見どころを教えてください。

 谷垣さんは22歳で香港に渡って、スタントマンとしてのキャリアを積みました。ジャッキー・チェンさん主演の「新宿インシデント」、ドニー・イェンさん主演の「SPL/狼よ静かに死ね」、米映画「ブレイド2」でも活躍しています。これまでの時代劇とは異なる映画「るろうに剣心」シリーズのアクションは、どうやって生まれたのか。俳優たちへのトレーニングなどの準備段階から取材し、谷垣アクション演出の一部始終が分かります。

 −−視聴者へ一言お願いします。

 昨年の夏、成城(東京都世田谷区)の東宝スタジオで、谷垣さんに直接お会いして取材を申し入れたときは、食堂で1時間の約束のつもりが谷垣さんの現場での熱い思いや作品に懸ける思いがあふれて2時間に。その場で快諾いただいてから、番組ディレクターが4カ月近くも撮影現場に密着しました。「アクション監督」というあまり耳慣れない仕事に就きたくなる、谷垣さんの熱い思いが分かるドキュメンタリーです。

 WOWOW 映画部 プロデューサー 小野秀樹

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