デンマーク出身の俳優マッツ・ミケルセンさん主演の映画「悪党に粛清を」が27日から公開される。クリスチャン・レブリング監督もデンマーク出身。北欧人が西部劇とは意外だが、これがまったく違和感がない。ミケルセンさんの内奥にあるひとくせありそうな雰囲気が妙にマッチし、思いがけない新鮮さと面白さを生み出している。
あなたにオススメ
朝ドラ「ばけばけ」徹底特集! 高石あかりがヒロインに
時は1871年。7年前、兄ピーター(ミカエル・パーシュブラントさん)とともに祖国デンマークから米国の西部にやって来た元兵士のジョン(ミケルセンさん)は、荒野を開拓し、やっと生活の基盤ができたことからデンマークに残してきた妻(ナナ・オーランド・ファブリシャスさん)と息子を呼び寄せる。ところが再会の喜びもつかの間、妻子はならず者に殺されてしまう。怒りに駆られたジョンは、そのならず者を射殺するが、それがさらなる災厄を招いてしまう……という展開。
ミケルセンさんのカッコよさにシビれた。ジョンは感情をあらわにしないが、家族を殺された慟哭(どうこく)と憎悪はひしひしと伝わってくる。半面、感情が読めないだけに内面の神秘性が増幅され、反撃を開始する終盤の“してやったり”感が際立つ。今作の妙は、古典的な西部劇とは異なり、映画の早い段階でジョンが復讐(ふくしゅう)を遂げることだ。その後、物語はジェフリー・ディーン・モーガンさん演じるデラルー大佐という凶暴な悪役を得て新たな展開を見せることになるが、太陽が照りつけ、砂ぼこりが舞う米西部が舞台にもかかわらず、どこか冷え冷えとした印象を受けるのは、“北欧”イコール「寒そう」という勝手な思い込みのせいだろうか。ちなみに撮影は南アフリカで行われたという。ほかに、「007/カジノ・ロワイヤル」(2006年)でボンドガールを演じたエバ・グリーンさん、元プロサッカー選手のエリック・カントナさんらが出演。27日から新宿武蔵野館(東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/フリーライター)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションを経てフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。
歌手で俳優の福山雅治さんが12月29日、東京都内で開催された「映画ラストマン -FIRST LOVE-」(平野俊一監督、公開中)を記念した“ラストマンデー”舞台あいさつに登場。大…
今をときめくスターやアーティストにも、初出演、初イベント、初ライブなど必ず存在する“はじめて”の瞬間。そんな未経験ならではのドキドキの瞬間を、本人に振り返ってもらうのが「私のはじ…
俳優の江口のりこさんが、ディズニー・アニメーション「ズートピア2」(ジャレド・ブッシュ監督・バイロン・ハワード監督、公開中)の日本版で新キャラクターのビーバー、ニブルズの声を担当…
人気グループ「Snow Man」の佐久間大介さんが単独初主演する映画「スペシャルズ」(内田英治監督、2026年3月6日公開)の予告が、このほど公開された。