花燃ゆ:奥御殿編はサクセスストーリー 舞台は華やかな“女の城”に

奥御殿編に突入する「花燃ゆ」の第28回「泣かない女」の一場面=NHK提供
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奥御殿編に突入する「花燃ゆ」の第28回「泣かない女」の一場面=NHK提供

 女優の井上真央さん主演のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」が、12日放送の第28回「泣かない女」で奥御殿編に突入する。これまで主人公・文(井上さん)の兄・吉田松陰(伊勢谷友介さん)や夫・久坂玄瑞(東出昌大さん)らを中心としたストーリーが展開されてきたが、奥御殿編ではがらりと変わる。華やかな長州藩の奥御殿が舞台となり、文は美和と名前を改めて、斬新な意見で奥御殿を変えていく。意地悪な上司のいじめもある中、“女の城”で美和が活躍する姿が描かれ、同局の土屋勝裕チーフプロデューサー(CP)は「美和のサクセスストーリーと言ってもよいと思います」と説明する。奥御殿編の見どころを探った。

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 ◇華やかな奥御殿に個性的な女優陣が続々

 「花燃ゆ」は、幕末の長州藩士で思想家の松陰の妹・文が主役のオリジナル作品。ドラマはこれまで、松陰や松下村塾塾生の久坂や高杉晋作(高良健吾さん)を中心とした物語が、文の視点で描かれてきた。文は、塾生や松陰のサポート役という印象が強かったが、奥御殿編では物語の中心に躍り出てくる。

 これまで物語の中心となってきた松陰、久坂が死去した後、文は「これまでの私はおりません。文という無力な女の名は捨てます」と宣言。長州藩の奥御殿の総責任者・園山(銀粉蝶さん)に直訴して、奥御殿に入ることになる。松下村塾の塾生たちは“男臭い”イメージが強かったが、約200人の女性が暮らす“女の城”とも呼ばれる長州藩の奥御殿は、美しい着物を身につけた女性が続々と登場。長州藩の最後の藩主・毛利元徳の正室・安子(銀姫)を演じる田中麗奈さんのほか、高橋由美子さんや江口のりこさんら個性的な女優陣、アイドルグループ「乃木坂46」のメンバー10人がそろって出演することも話題になっており、画面が華やかになる。

 ◇井上真央が“涙を我慢”

 美和は、長州藩を窮地に追いやった久坂の妻ということもあり、奥御殿では肩身が狭いが、徐々に信頼を得ることになる。一方で、美和の活躍を面白く思わない女性もいる。意地悪な上司らによるいじめの中で、キャリアウーマンのように“昇進”していく美和の姿が見どころになりそうで、土屋CPは「衣装の華やかさはもちろんのこと、奥で生きる女性たちのそれぞれの覚悟、生き方は魅力的です。激動の長州で、奥御殿も時代の変化と無関係ではいられません。さまざまな困難が美和に降りかかってきますが、その困難を乗り越えていく美和の活躍を楽しみにしてください」と話す。

 奥御殿でも困難が続く美和を演じる井上さんの演技も注目される。土屋CPは「今までは我慢をする場面、涙する場面が多かったかもしれませんが、これからは“涙を我慢”です。けっして涙を見せない、そんな強い覚悟で生きていく美和を井上さんは演じています。よりアクティブに自分の力で道を切り開いていく女性に成長していきます」と話しており、強い意志を持って、前向きに生きていこうとする姿も見どころになりそうだ。

 「花燃ゆ」はNHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送中。

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