テレビ試写室:「花燃ゆ」第32話 高杉ついに動く 高良健吾にくぎ付け

「花燃ゆ」の第32回「大逆転!」の一場面=NHK提供
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「花燃ゆ」の第32回「大逆転!」の一場面=NHK提供

 ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組について、放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は女優の井上真央さんが主演するNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の第32回「大逆転!」だ。

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 「花燃ゆ」は、幕末の長州藩士で思想家の吉田松陰(伊勢谷友介さん)の妹・文が主役のオリジナル作品。ドラマでは現在、文は長州藩の奥に入り、名を美和と改めている。第32回では、高杉晋作(高良健吾さん)がついに動く。朝敵となった長州藩で、幕府に恭順しようとする椋梨藤太(内藤剛志さん)ら俗論派の暴挙に対し、高杉が挙兵。高杉の元に、伊藤利助(劇団ひとりさん)や前原一誠(佐藤隆太さん)ら松下村塾の塾生も集まり、藩正規軍と戦うという有名な歴史の一幕が描かれる。

 高杉がとにかくカッコよく、美しい。「面白うない」などとふてくされていた高杉はもういない。紆余(うよ)曲折を経て成長した高杉が、銃を撃つなど戦う姿が凜々(りり)しいし、雪が降る中でたたずんだり、三味線を弾く姿が美しい。その姿にくぎ付けになった。

 以前、高杉役の高良さんにインタビューした際、「大河ドラマという長期間放送されるドラマだからこそ、成長、心の動きを丁寧に演じていきたい」と力強く語っていた。成長した高杉の姿を見て、あの若造が立派になったなあ……などと感慨にふけった。幕末の志士に対して“立派”とは失礼ではあるが。

 忘れてはいけないのが、長州藩の奥にいる主人公・美和(井上さん)の活躍で、高杉の妻・雅(黒島結菜さん)を守るために奔走する。毛利元徳(三浦貴大さん)の正室でちょっと“ツンデレ”な銀姫(田中麗奈さん)と美和の関係も面白く一つの見どころになっている。

 「花燃ゆ」はNHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送中。

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