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べっぴんさん:後半の見どころ 新たなヒロイン像への挑戦 栄輔再登場に、娘世代の物語も

テレビ
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」でヒロインすみれを演じる芳根京子さん(右)と娘のさくらを演じる井頭愛海さん

 芳根京子さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「べっぴんさん」は2017年1月4日からの第14週「新春、想いあらたに」で後半に突入する。芳根さん演じるヒロイン坂東すみれが、仲間たちと子供服作りにまい進する姿を描き、じわじわと人気も上昇。16年12月22日放送で平均22.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)のシリーズ最高視聴率を記録した。すみれたちの「キアリス」も法人化し、大きく発展しようとしている。子供たちの成長に、人気の栄輔さんはどうなるのか……。前半を振り返りつつ、制作統括の三鬼一希さんの話から、後半の見どころを紹介する。

 「べっぴんさん」は、95作目の朝ドラ。神戸市に本社を置く子供服のメーカー「ファミリア」の創業者の一人、坂野惇子さんをモデルにした物語。戦後の焼け跡の中、幼い娘を抱え、出征したまま帰らない夫・紀夫(永山絢斗さん)を待ち続けていたすみれは、生きるために女学校時代の友人・君枝(土村芳さん)、良子(百田夏菜子さん)、そして坂東家の女中だったマツの娘明美(谷村美月さん)たちと子供服を売り始める。紀夫も戦地から戻り、すみれたちは4人の名前から一文字ずつとって「キアリス」をオープンさせる。そして潔(高良健吾さん)とゆり(蓮佛美沙子さん)の姉夫婦も、父五十八(生瀬勝久さん)が起こした「坂東営業部」の立て直しに奔走する。すみれたちは仕事と家庭の両立などに悩みながらも、「キアリス」は百貨店への出店を機に、商売の道を本格的に進み始める……という展開だ。

 前半は、すみれが結婚、出産し、戦争で神戸が焼け野原になり、すべてを失われてしまう。その後、戦争に行った夫たちが帰ってくるまでの物語が丹念に描かれた。三鬼さんは「このドラマは戦後の焼け野原から立ち上がる力強い姿を丁寧に描きたいと考えた」という。物語では、夫を戦争に取られたすみれたちが必死で生きようと、「キアリス」を立ち上げる。戦地から紀夫ら夫たちが苦労して帰ってくると、仕事と家庭の両立に悩む姿も描かれた。三鬼さんは「戦争をクライマックスに描くのでなく、何年も戦地に行って、終戦後も苦労して引き揚げてくる。大変なことですからね」と語る。

 時代が明るくなるとともに、「キアリス」が大きくなり始める。三鬼さんは「現代でいうと、ママ友や仲の良いお母さん同士で手作りしたモノを、ネットショップで販売し始めたら意外に評判が良くて、という話に近いんです」と語る。「元々お嬢さんだったので、金銭感覚がなく、やってみたらそれなりになってきて、周りの大人たちが動いているという感じ。戦争で失われた青春をもう一回やり直していると考えた」という。

 失われた青春といえば恋物語だ。前半ですみれへの思いを募らせ、人気が高かったのが、松下優也さん演じる栄輔だった。三鬼さんは「紀夫が帰ってこずに、すみれみたいな子を一人にしたらだめだけど、潔は(すみれの姉で妻の)ゆりがいるので、すみれを救う立場にない。そこに栄輔が現れた。松下さんの持ち前の明るさが救ってくれて、さらに身寄りがなかったり切ない部分もしっかり演じてくれた」と絶賛する。紀夫の帰還して姿を消し、“栄輔ロス”の声も上がったが、松下さんが「意外な形で戻ってきます」と明かしており、再登場が楽しみだ。また、4人娘の中で唯一独身なのが、谷村さん演じる明美だが、三鬼さんは「ただただ結婚すればいいということではない。明美に好きな人ができれば……」と期待させる。

 さらに、すみれの娘さくらたちも成長した姿で登場する。さくらを国民的美少女コンテストでファイナリストに進出した井頭愛海(いがしら・まなみ)さん、良子の息子・龍一を森永悠希さん、君枝の息子・健太郎を古川雄輝さんが演じ、さくらが引かれるドラマー志望の青年役で林遣都さん、ジャズ喫茶で働く大人びた少女役で久保田紗友さんが出演する。三鬼さんは「さくらたちの世代のドラマにも注目してほしい」と語る。

 ヒロインのすみれは、おとなしく、自分の気持ちをはっきり言えないが、秘めた思いを貫く強さがあるという性格だ。三鬼さんは「“ザ・朝ドラヒロイン”みたいなキャラ造形、元気に頑張って、言いたいことをズバズバ言えるヒロインは、見ていて痛快だろうとは思います。ただ、世の中そんなヒロインみたいな人間ばかりじゃない」といい、「皆で手に手をとって協力し合って生きていくヒロインがいてもいいんじゃないかな、と思った。むしろこういう人の方が多いから、分かってもらえるんじゃないかなと思っていました」という。後半は、時代の流れとともに「キアリス」が拡大していく物語となるが、三鬼さんは「すみれは『この服を全国に売るんだ』というのが夢ではない、そこは通過点でしかない」と語る。単なる立志伝でなく、新たなヒロインの形がどう結実するのか、目が離せない。

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