ロン・ハーパー：マイケル・ジョーダンとの“朝練”秘話明かす　「何て人だと思った」

　「シカゴ・ブルズ」「ロサンゼルス・レイカーズ」などに在籍し、NBAで過去5回の優勝を経験した“レジェンド”であるロン・ハーパーさんがこのほど来日した。インタビューに応じたハーパーさんは、現役時代やマイケル・ジョーダンさんについて振り返ったほか、今シーズンのMVPなどについても語った。

ウナギノボリ

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　――これまでおそらく約4000人もの選手がプレーしてきましたが、5回も優勝できた人は本当に少ないですよね。

　そうなの？　そんなにいるんだね。知らなかったよ。

　――でも誰もが優勝したいと思っていますよね。

　もちろんだとも。子供のころにオハイオで育ったんだけど、その当時は、ジュリアス・アービング、カリーム・アブドゥル・ジャバー、オスカー・ロバートソン、マジック・ジョンソンといった素晴らしい選手たちが、優勝という夢を達成するために戦っているのを見ていたんだ。だから、自分が優勝というチャンスを得られたのは本当に幸運だったね。

　――現役時代、シカゴ・ブルズに在籍していたころはどんなことが印象に残っていますか。

　忘れもしない体験だよ。ロックスターになったような気分だったよ。常に練習ができるようにジムにはスタッフがいたし、どのチームよりハードな練習をしていたよ。だから、コートでのプレーはとても楽に感じたね。みんなに言っていたんだ。試合で見るのはその日のプレーだけだけど、実際に自分たちがどんな練習をしているのかわからないだろうってね。それだけつらい練習をマイケル・ジョーダン、スコッティ・ピッペン、デニス・ロッドマン、トニー・クーコッチ、スティーブ・カー、ランディー・ブラウンというスター選手が、繰り返し繰り返ししていたんだよ。

　――ジョーダンの話が出ましたが、マイケル・ジョーダンと一緒にプレーするのはどんな感じでしたか。

　ジョーダンは真のプロフェッショナルな選手だったね。本当に毎日毎日練習をしていたよ。チームメートに対してもそうだったね。NBAに戻ってくると決めた時に、連絡をくれたよ。朝の6時45分にね。普通の人ならまだ寝ている時間だと思うんだけど、ジョーダンの自宅にあるジムに呼ばれて行くと、コーヒーを飲みながらシガーを吸っていたよ。そして「さあ、トレーニングしよう！」って言ったんだ。「何て人だ！」と思ったのを覚えているよ。そうやって一緒にトレーニングをしたから、ジョーダンの精神的な強さを見ることができたね。どうやって、試合までにどれだけハードなトレーニングをするのか。どうやって試合に臨むのか。そういう裏の部分を見ることができたよ。あれだけのすごいプレーができる理由が分かったよね。

　――すごいトレーニングですね。

　そうだよ。自分とジョーダンとピッペンの3人でね。

　――そのトレーニングはしばらく続いたのですか。

　そうだね、2.5シーズン続いたよね。それにはルールがあって、外出したかったらしてもいいし、トレーニングを続けたかったら、午後2時、3時までやっていてもよかったんだ。コートの外でも仲が良かったけど、そうやってハードなトレーニングを一緒に続けたんだ。

　――一緒にプレーした選手の中でももう一人、コービー・ブライアントというスーパースターがいますよね。コービーと一緒にプレーするのはどんな感じでしたか。

　コービーには、ジョーダンと同じようなものを感じていたね。本人もそうなりたかったんじゃないかな。とにかくハードなトレーニングをしていたし、負けず嫌いだったし、優勝するためにはどんなハードなプレーも惜しまない選手だった。常にそういう感じだったから、そういう選手と一緒にプレーできるのはとても幸せなことだった。

　――今シーズンはMVP候補がたくさんいますよね。誰がMVPになると思いますか。

　今年は2、3人による同時受賞になると思うよ。その一人は、個人だけでなくチームも引っ張っているジェームズ・ハーデン、そしてすごい成績を上げているラッセル・ウェストブルック、そしてレブロン・ジェームズの3人を挙げるね。レブロンは誰もが予想するからね。もしけがをしていなかったら、ケビン・デュラントもそれに加えたいくらいディフェンスも良かったし、良いシーズンを送っていたよね。

　――その中で誰が受賞すると思いますか。

　分からないよ！　自分は投票することができないからね。

　――もし投票できるとしたら誰を選びますか。

　そうだな、難しいね。でもレブロンかな。安全策でね（笑い）。

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