「コップのフチ子」の原案でも知られるタナカカツキさんのマンガが原作の映画「逆光の頃」(小林啓一監督)が全国で順次公開されている。俳優の高杉真宙さんが主演し、京都を舞台に、どこにでもいる平凡な高校生、赤田孝豊が思春期ならではの漠然とした不安を感じながらも、さまざまな経験をして成長していく姿を描いている。この作品でヒロインとなる孝豊の幼なじみの“みこと”役で出演した葵わかなさん。今秋のNHK連続テレビ小説「わろてんか」のヒロインも演じる葵さんに、関西弁のせりふや見どころ、健康や美容で気を使っていることなどについて聞いた。
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――関東の方が関西に行くと、方言が違うのでアウェー感があってなじめないという人が多いと思うんですけれど、そういうことはあまり気にならなかった?
この作品を初めて京都で撮影しに行ったときは、方言もあったので、しゃべるにしてもイントネーションは合っているけれど間が違う、東京の間だといわれて、こちらとしては最初は分からなくて。だんだん京都で過ごす時間も長くなるにつれて、本当に自分自身が(その土地の言葉に)合うようになっていくんですよね。
撮影も日程的にはゆったりした撮影をしていたので、全体的にリズムがのんびりしてきて、だんだん後半になったら言葉を直されることも少なくなってきたし、リズムが合ってきたんだなって感じる瞬間が何回かあるようになって。合間に東京に1週間帰ったりするとまた東京のリズムに戻ったなというのがだんだん分かるようになりました。撮影が終わって今、また行くと、ちょっと懐かしいなと思いますね。とても居心地がいい場所になってきました。
――葵さんが関西弁が上手なので主演の高杉さんがプレッシャーを感じたという話を聞きました。耳がいい人は方言が上手と聞きましたが。
耳がいいというのはすごくたくさんの方に言っていただいたかもしれません。私、神奈川出身で、方言というものが細かくいえばあると思うんですけれど、ほとんどなくて、憧れているんですね。だから、自分のものにしたいと思ってしまう(笑い)。京都の方言をマスターしたから、京都の子になれるわけじゃないんですけれど、もし私がここで生まれていたら、こんな方言があって東京に行って、東京弁に直して、でも(地元に)帰ってくると京都の方言があって、ちょっと「懐かしいな」と思ったりするのかなとか想像して。
高杉さんは福岡の方だったので、高杉さん自身の方言があって、そこの違いじゃないですかね。でも高杉さんがすごく上手だったので、私も焦ってましたけれど(笑い)。
――この映画でこういうところを見てほしい、こういうところを感じてほしいということは?
何か大きな事件があってそれに立ち向かうとかそういう話ではないので、本当に日常を描いているというか……。孝豊の日常を切り取った話です。みことが初めて出てくるシーンは、新しいキャラなのに、なんかスルッと出てきた。そのスルッと出てくる感じがこの映画の前にも孝豊やみことの人生があって、この映画のあとも続いていくんだろうなという感じがすごくするので、見ている私たちがこの作品のキャラクターたちの日常にちょっとお邪魔したという感覚がする映画だなと思って。だからあまり構えずに、するっと見て、すごくすてきな青春を垣間見て、こんな青春時代があったらよかったなと思ってもらえたらいいんじゃないかと思います。
――最近、一番楽しい時間は?
大阪で一人暮らしをしていて、ときどき東京の実家に帰ってくると家族がすごくたくさん話してくれるので、会ってない期間のニュースとか他愛のないことなんですけれども、夕ご飯のとき家族みんなでめちゃくちゃしゃべったりするのが今は一番楽しいというかリラックスできる時間ですね。
――食べ物で好きなものは?
最近は韓国料理にはまってます。辛いものはそんなに強いわけではないんですけれども、「ああ辛い」と思って食べるのがいいんです(笑い)。スンドゥブが好きです。魚介の味がするし、辛いのはあまり得意じゃなんいんですけれど、韓国料理なら大丈夫です。
――これから朝ドラで長丁場の撮影が始まりますが健康や美容で気を使っていることは?
健康には最近少し気を使っていて、長丁場なので風邪は引きたくないなと思ったので、最近は野菜ジュースと青汁とヨーグルトを食べるようにしています。冷えが大敵だといわれたので、冷え症なので、ちょっと体を動かした方がいいのかなと思ったんですけれど。
歩くのがもともとすごく好きなので。「ウオーキング」というほど本気じゃないんですけれど、“ロング散歩”くらいのものに最近はまっていますね。そしてお風呂に入ってスッキリみたいな。
――体力をつけるためにやっていることは?
体力が必要なときは炭水化物、ご飯を食べます。たんぱく質、お肉とか卵とかでは、鶏肉がすごく好きなんですよ。だから鶏肉は食べているんですけれど、お米は食べようかなと意識的に思っています。今は撮影が朝から晩まであって、どうしてもおなかがすくので、もう少し、ご飯、白米の量を増やしてみようかなと調節したりしますけれど、それぐらいしかしていません。
――今、一番気になるファッションアイテムは?
赤い服。全身赤くしたいわけじゃないんですけれど、最近、地味というか色味的に落ち着いた服が多くて。でも、朝ドラでの役のイメージが赤で、それで赤っていいなと思い始めて。私生活も赤のアイテムを探してしまう。服にも赤を入れたいなと。派手な色を派手過ぎず着たいな。持ってるものは黒が多くて、気づくと真っ黒になっちゃったりするので、その中に赤を入れたら可愛いかなと。赤いパンツとかワンピースとか。赤いブレスレットなども増えてきています。
――10年後どうなっていると思いますか。
もうちょっと穏やかな人間になっていてほしいなと(笑い)。私は今、まだまだ分からないことが多くて、親や友達に相談するんですけれど、そういうときにすごく助けてくれる言葉をくれる人がときどきいます。自分がしてもらったそういうことを周りにできるようになりたいなと思うし、(人を励ますような言葉を掛けられるような人に)それを目指すわけではないけれど、そういうことができるようになっていたら、いい大人になれた証拠かなと思います。28歳かあ。結婚しているかも……。でも、(していなかったら)30歳くらいになったら結婚考えようかな(笑い)。
<プロフィル>
あおい・わかな 1998年6月30日生まれ、神奈川県出身。2009年にスカウトされCMデビュー。主な映画出演作に「陽だまりの彼女」(13年、三木孝浩監督)、「くちびるに歌を」(15年、三木孝浩監督)、「暗殺教室」(15年、羽住英一郎監督)、「サバイバルファミリー」(17年、矢口史靖監督)などがある。18年に「ミッドナイト・バス」(竹下昌男監督)の公開を控える。今年10月から放送のNHK連続テレビ小説「わろてんか」(NHK大阪制作)で主演することが決まっている。
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