ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
アニメ制作会社「タツノコプロ」の人気ヒーロー、ガッチャマンなどが集結することが話題のテレビアニメ「Infini-T Force(インフィニティフォース)」が、10月2日深夜から日本テレビほかで順次、放送される。人気ヒーローたちが3DCGで現代によみがえることも話題になっている。「PSYCHO-PASS(サイコパス)2」や「GATCHAMAN CROWDS insight(ガッチャマンクラウズ インサイト)」などに参加してきた鈴木清崇さんが監督。「お祭りムービーにはしたくなかった。一つの作品としてドラマを描きたかった」と語る鈴木監督に、作品の見どころやタツノコヒーローへの思いを聞いた。
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「Infini-T Force」は、タツノコプロが今年10月に創立55周年を迎えることを記念した企画の一環として制作。ガッチャマン、テッカマン、ポリマー、キャシャーンが悪に立ち向かう姿が描かれる。
ドラマを描くにあたり、注目したのは、これまでのタツノコ作品の根底を流れるテーマ「家族」だった。「タツノコの作品には家族の物語が描かれてきた。(タツノコを設立した吉田竜夫さん、健二さん、九里一平さんの)3兄弟の、父親に向けた思いもあったのかもしれません」と分析する。
「個人的な気持ちでは(ヒーローたちが登場するそれぞれの作品の)続編のつもりです。性格などは変わっていたり、設定が変更されているけど、旧作で戦いを終えたり、戦いを続けている男たちの物語をメインにしようとした。基本的に元のデザインを崩さないように」との思いもあったという。
この時代に昭和のヒーローを描くことの意味について聞いてみると「ヒーローとは何か?は(2013年に第1期、15年に第2期が放送された)『ガッチャマン クラウズ』でも深掘りをしているので、そこは深掘りはしませんが、ヒーローとは何か?は伝わるようにしていて、テーマの一つにもしています。ヒーローとは、気高さ、慈愛、根源的な怒りなどあり、普遍的なものなのかもしれません」と話す。
「Infini-T Force」に登場するヒーローたちは、これまでもすべてリメークされており、鈴木監督は「『宇宙の騎士テッカマンブレード』『新 破裏拳ポリマー』も大好き」というが、リメーク作は「意識していません」と明かす。「リメーク作を見直すと、いろいろ引っ張られたり、惑わされることもある。一回、そのことは忘れて、最初の作品だけを意識している」と話す。
「Infini-T Force」は、過去の作品をリスペクトしつつ、現代的でもある。例えばヒロインの界堂笑(かいどう・えみ)は、何事に対しても常に冷めた態度のイマドキな17歳だ。鈴木監督が「笑はヒーローへのカウンターですね。昭和のヒーローは熱く、真面目で、悪は許さないという強烈な自己主張がある。現代は、そういうキャラクターがあまりいないかもしれないので」と説明する。
ヒーローたちに変身前の姿は、“今っぽい”イケメンになっているが、変身後の姿は過去のデザインを引き継ぎつつ、アレンジされている。「タツノコヒーローはやっぱい格好いいんですよね。芯にあるものは同じように見せることを考えました。例えば、昔のデザインは肉体、筋肉を表現しているところもありますが、それよりもスーツっぽさをイメージしたデザインになりました。ディテールなどが変わっています」と説明する。
近年、フルCGで制作されたテレビアニメが増えつつあり、「Infini-T Force」もまたCGで制作された。CGにはメリット、デメリットがあると言われている。鈴木監督はメリットについて「ドライな言い方ですけど、作業者によってクオリティーにばらつきがない。手描きの場合、アクションの個性を出すのにコストがかかるし、才能も必要。CGはロジックでそれができる。そういう意味ではメリットなのかもしれない」と考えているという。一方、デメリットを「1カットしか出てこないような物やキャラクターは作ることができない。コストが見合わないんです」と明かす。
CGのアニメは、普段、セルアニメを中心に見ている視聴者が、動きや独特のレイアウトなどに違和感を覚えることもある。「そこは、すごく意識しています。黒衣に近いと思うんです。黒衣は最初は気になるけど、劇に没入していくと、そのうち存在を意識しなくなる。ちゃんとキャラを描き、芝居をさせれば、CGであることを意識しなくなる。序盤はカメラが引き気味にしているけど、徐々にアップを増やすなどコントロールをしている」。さまざまな工夫がなされているようだ。
歴史があり、人気もあるヒーローが一堂に会すとなると、旧作のファンの反響も気になるところ。「芯にあるものは失わないようにしています。『何であれがないんだ!』などとなることもあるかもしれません。僕もほかの人が作ったら、そう思いますから(笑い)。旧作を見ていた人に楽しんでいただき、若い人にも興味を持っていただけるようにしていきたいです。世代を超えて見てほしいね」と話す鈴木監督。愛を注いでアニメを作っているようだ。現代によみがえったヒーローたちは、幅広い層をとりこにしていくかもしれない。
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