海に眠るダイヤモンド
第4話 沈黙
11月17日(日)放送分
人気グループ「嵐」の松本潤さんが、変わり者の刑事専門弁護士役で主演するTBS系「日曜劇場」枠の連続ドラマ「99.9-刑事専門弁護士- SEASONII」が好調だ。シーズン2の中で裁判官を辞めて弁護士になった「ヤメ判」の新ヒロイン・尾崎舞子の存在が重要になってくる。演じた木村文乃さんについて、同局の瀬戸口克陽プロデューサーは「凛(りん)としたたずまいとコメディーセンス」が起用理由だと語る。舞子の役割やキャラクターについて分析する。
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裁判官を辞めて弁護士になった「ヤメ判」の舞子は、第2話で正式に斑目法律事務所の仲間入り。第3話では事件の主任担当として、本格的に弁護士の仕事をし、かつての仲間との関係性の変化や、仕事への取り組み方、相手の態度の違いに苦悩する。
瀬戸口プロデューサーは「実際にいらっしゃったそういう(ヤメ判の)方にお話を聞いていく中で、元裁判官がいると面白いんじゃないか、と思った」と発案のきっかけを明かす。元裁判官らしい凛としたたずまいと、同ドラマならではのコメディーセンスが重要となるが、「過去仕事をしたことがある木村さんは、その両方を持ち合わせている稀有(けう)な存在」と起用の理由を語る。
舞子は、論理的に物事を考えるタイプのため理屈っぽく、きつい言動も多い。深山とはしばしば対立する。自分では気付いていないが、裁判官としての考え方がしみついている。「自分が見たものは間違いない、と思ってしまうところがある。(裁判の際の)調書にあるものはすべて正しいという、ある種、(裁判官に)しみついてしまった習性だと思う。たった一個の違和感を検証する弁護士とは違う」と、瀬戸口プロデューサー。
裁判官ならではの特徴としては「事務処理能力が圧倒的に高い。ある元裁判官の方に、必要な資質を聞いたら、膨大な案件を裁くために頭の回転の速さが必要という答えだった」という。第2話では、佐田(香川照之さん)が苦戦する事務処理を、舞子はすぐに終わらせて「まだそれだけしかやっていないんですか?」と突っ込むシーンがある。スペックの差も一つのキャラクターになっている。
第3話では、説明なしに第1話、2話で舞子がたびたびやっていた、両手で“手カエル”を作って「~ゲコ!」と独り言を言う“クセ”の正体が明らかになった。思うように進まない裁判に、手カエルで「お前にできることは、何だゲコ~?!」と心の声を叫ぶ舞子。その後、とうとう深山に「ゲコ! それ、何なの?」と聞かれしまい、「腹話術です! 中学時代に腹話術部にいて、うまくなるのに日常的に練習するクセがついてしまったんです!」と、恥ずかしがりながら白状する。
瀬戸口プロデューサーは「あれ(腹話術)が違和感として受け取ってもらえれば、それは成功。変な人ですよ!」と笑う。「裁判官が、感情の見えない“記号”として認識されているんですが、ドラマが進むにつれ、その人たちの人間味が見えてくる。何かクセがあった方がいい。深山におけるオヤジギャグだったり、(シーズン1で榮倉奈々さん演じた)立花でいう“プ女子(プロレス好き女子)”だったり。舞子のクセは、腹話術なんです」と語る。
舞子は「すごく難しい役。深山たちとぶつかり合わなきゃいけないし、場合によっては嫌われてしまうが、第1話では嫌われても構わないかな、と思っていた」という瀬戸口プロデューサー。「そんな彼女が、メンバーと関わることによって、何をきっかけにどう変わっていくのか。舞子の変化がシーズン2前半のターニングポイントとなる。そこを木村さんが丁寧に演じています」と自信を見せている。
「99.9-刑事専門弁護士-」は、有罪率99.9%という刑事弁護の世界を舞台に、逆転不可能な状況の中、残された0.1%の可能性にこだわって事実を追求しようとする斑目法律事務所の刑事専門弁護士たちの活躍を描く。シーズン2は、主人公の刑事専門弁護士・深山大翔(みやま・ひろと)を松本さん、深山とチームを組む敏腕弁護士の佐田篤弘を香川照之さんが前作に引き続き演じるほか、深山の前に立ちはだかる東京地方裁判所所長代行のエリート裁判官・川上憲一郎役で落語家の笑福亭鶴瓶さんも出演する。第4話は4日午後9時に放送される。
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