アニメ質問状:「恋は雨上がりのように」 あきらの目力をどう出すか 作画で盛って特殊加工も

テレビアニメ「恋は雨上がりのように」の一場面(C)眉月じゅん・小学館/アニメ「恋雨」製作委員会
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テレビアニメ「恋は雨上がりのように」の一場面(C)眉月じゅん・小学館/アニメ「恋雨」製作委員会

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、眉月じゅんさんのマンガが原作のテレビアニメ「恋は雨上がりのように」です。アニメを手がけるWIT STUDIOの岡田麻衣子プロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。

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 --本作品の魅力を教えてください。

 一見、女子高生と冴(さ)えないおじさんの、ただの年の差恋愛物語と捉える方も多いのかもしれませんが、実はそうではないのです。高校生のあきらは、若いからこその行動力で、バイト先の店長(おじさん)に忘れていた“何”かを思い出させてくれますし、店長は年を重ねているからこその行動(言葉)で、あきらに優しく“何か”を問いかけていくのです。

 きっかけは恋愛であっても、大事な“何か“は恋愛だけではないはずです。普段交わることの少ない、年が離れているからこそ織りなせる2人の、恋愛も含めた“青春物語”なところが魅力だと思っております。

 --アニメにするときに心がけたことは?

 大きな一つは、渡辺(歩)監督の得意とする画面力をどう生かせばよいかを考えました。物語、画(え)作りと、原作がとても丁寧に描写されているので、そこに監督の得意とする画面力(レイアウトや撮影処理など)をマッチングすることができれば、たくさんの説明をしなくてもマンガの雰囲気に近い、伝わるフィルムができると思いました。

 それと、あきらですよね。声はオーディションでオーガニックな人を探しました(渡部紗弓さん見つけられてよかったです)。画では特に目力をどう出すかですかね。瞳アップの時は、原作のように吸い込まれるような、いろいろな瞳を試しに作ってもらったりしました。実際には作画で盛ったり、スペシャルファンデチームで特殊加工したり、撮影さんに処理を工夫してもらったりして、今の深い瞳ができ上がりました。

 --作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 原作がまだまだ連載真っ最中ですので、アニメではどうまとめてどう着地するべきか決めるのが大変でしたね。2016年の冬ごろから脚本会議がスタートして、2018年1月の放送直前まで最終話付近のシナリオを練っていました。予定では春過ぎに終わらせるつもりだったのですが、あれよあれよという間に時間が過ぎていきました。サボっていたわけではないんですよ(笑い)。それだけ繊細なマンガ(2人)だったということです。

 それと絵柄のはやりが今のはやりと少し違うので、作画のスタッフさんが慣れるのに時間がかかったかもしれませんね。難しい……という声も聞こえてきたくらいです。今では可愛いあきらをたくさん描いてくださっています。

 あと、うれしいことといえば、最近、(原作が)小学館漫画賞を受賞されたことでしょうか。作品をアニメにして映像でも残したい!と思って私たちは作っていますので、それがマンガ界で評価されたっていうことは大きなことでした。やる意味がより深まった気がしておりますね。

 --今後の見どころを教えてください。

 やはり、2人が出会ったことで、それぞれにどういった化学反応が起きて、どんな結論を出すのか……を楽しみにしていてください。(眉月)先生と初めてお会いした時に、マンガとアニメは別物になってもよいとおっしゃってくださいました。アニメは監督&スタッフが結末を決めてよいということですよね。アニメ化の意味をこんなにも寛大に考えてくださってくれていて、とても感動したのを覚えています。ですので、私たちも原作が最後どうなっていくのか、実は知らないで作っています(笑い)。

 渡辺監督(店長の年齢に近し)のアニメチームが出す、「恋は雨上がりのように」が、どうなるのか、お楽しみに☆

 --ファンへ一言お願いします。

 恋をしている人も、恋を忘れかけている人も、これからの人も、誰かと出会い触れ合っていくということはこんなにも素晴らしいことなんだよな、と、再認識してもらえたらうれしいです。あきら側の人も、店長側の人も、今の自分と重なる方からの目線で、楽しんでみてください。ちなみに私は女性ですが、店長側が多めです(笑い)。皆さんはどうですか?

WIT STUDIO アニメーションプロデューサー 岡田麻衣子

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