裕木奈江:23年ぶり民放連ドラの反響語る “今と昔”の違いも

連続ドラマ「FINAL CUT」に出演している裕木奈江さん=関西テレビ提供
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連続ドラマ「FINAL CUT」に出演している裕木奈江さん=関西テレビ提供

 人気グループ「KAT-TUN」の亀梨和也さん主演の連続ドラマ「FINAL CUT(ファイナルカット)」(関西テレビ・フジテレビ系、火曜午後9時)で、主人公の母親役を演じている裕木奈江さん。今作が約23年ぶりの民放連続ドラマ出演で、久しぶりの撮影で感じた“今と昔”の違いや、亀梨さんの印象、今後の活動などについて話を聞いた。

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 「FINAL CUT」は、亀梨さん主演の復讐(ふくしゅう)劇で、母を奪った罪深き者たちへの復讐と“許されざる恋”を描いている。12年前、慶介(亀梨さん)の母の恭子(裕木さん)が経営する保育園の園児が何者かに殺害される事件が発生し、「ザ・プレミアワイド」の放送内容が原因で、恭子は自ら命を絶ってしまう。それから12年。警察官となった慶介は、百々瀬(藤木直人さん)を含む番組関係者、警察、さらに、事件の真相の鍵を握る小河原姉妹(栗山千明さん、橋本環奈さん)に復讐を果たそうとするが、姉妹の一人を愛してしまう……という内容。

 ◇昔の撮影現場は「工事現場のよう」 ドラマ出演の反響は…

 裕木さんは、ドラマ、映画出演など1990年代を中心に日本で活躍し、現在は米ロサンゼルスに拠点を移している。NHKの作品や日本の映画、舞台などには出演してきたが、民放の連続ドラマは、95年4月期に放送された「うちの母ですが…」(テレビ朝日系)以来、約23年ぶりの出演となる。

 久々の民放ドラマの撮影に、裕木さんは「とても優しい雰囲気に変わっている気がしました。女性が活躍する場面が増え、男女関係なく働くようになったのがきっかけなのかなって感じました」と感じた“変化”を口にし、「昔は、工事現場のように『行くぞ! オラ!』みたいな感じでしたので(笑い)」と振り返る。

 2006年公開の映画「硫黄島からの手紙」(クリント・イーストウッド監督)、同年公開の映画「インランド・エンパイア」(デビッド・リンチ監督)、17年に放送された連続ドラマ「ツイン・ピークス The Return」といった海外作品にも多数出演してきたが、「アメリカの場合、英語だけでなくいろいろな言語が飛び交うので、日本の現場は何を言っているのか分かるので落ち着きます」と笑顔で語る。

 今回はオファーがあり出演を決めたといい、「(出演する)作品を選んだりとかは全然していません。長らく、民放さんからお声が掛からなかったというだけです(笑い)」と明かす。出演の反響について聞くと、「映画を見る層、NHKドラマを見る層、民放の連ドラを見る層は、少し違うんですよね。映画や舞台にも出ていて、私のファンの方は見てくれていましたけど、(それらを知らない人からは)『分からなかった』って言われました。もうちょっと間に何かを挟んでいたら覚えていただけていたのかしら」と苦笑交じりに語った。

 ◇“息子”亀梨は「チャーミングで色気がある」

 演じている主人公の母・恭子については「出てきてすぐ亡くなってしまうので、寂しかったですね。第1話を見て、胸がつぶれる思いでした」と振り返る。「日本は自殺率が高いなどと聞いたことがあります。あくまでドラマですが、社会性を考えるととてもつらい。現実には起きてほしくないことです。私はメディアに出演する側。自分も気をつけないといけませんよね。思いつきで言ったり、自分の行動でどうなっていくか分からないですから」と真剣な表情で語る。

 主演の亀梨さんの印象については、「実際に会ったら、とてもチャーミングで色気がある方。亀梨さんが笑顔でいると周りが明るくなるんですよね。思わずペンライトを振りたくなっちゃう」と冗談を交えて絶賛した。
 
 ◇海外を目指す人との“橋渡し役”に…

 裕木さんに今後の活動について聞くと、「これまで、高倉健さんや緒形拳さんたちと共演させていただいたり、イーストウッド監督、リンチ監督とお仕事をさせていただいたり、すべてかなってしまった。本当に仕事運が良いんだと思っています。かっこ悪いけど、何をやりたいとかがないんです」と答え、「日本では、映画、ドラマ、オファーをいただきスケジュールが合えば出演したいと思っています。細々と、おばあちゃん役とかやりたいかな」と笑顔で語る。

 さらに「アメリカはオーディションで、(役者にとって)チャンスは公平なんですよ。私も履歴書1枚持って、オーディションを受けていました。今もオーディションの情報をこまめにチェックしています」と話し、「(海外で)チャンスが欲しいっていう人に、インターネットを使って何か情報発信したいんです。ハリウッドだけでなく、アジアの情報もあるので教えてあげたい」と目を輝かせながら語った。

 <プロフィル>
 ゆうき・なえ 1970年5月12日生まれ。神奈川県出身。1988年公開の映画「ソウル・ミュージック ラバーズ・オンリー」で女優デビュー。映画「学校」(93年)、「日本一短い『母』への手紙」(95年)、特別ドラマ「北の国から'92巣立ち」(フジテレビ系)、連続ドラマ「ポケベルが鳴らなくて」(日本テレビ系)などに出演。

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