「パタリロ」で知られる魔夜峰央さんの“埼玉ディス”マンガ「翔んで埼玉」(宝島社)が、女優の二階堂ふみさんと歌手のGACKTさんのダブル主演で実写映画化されることが9日、明らかになった。タイトルは「翔んで埼玉」(武内英樹監督、2019年公開予定)で、二階堂さんは初の男役、GACKTさんは高校生役を演じる。GACKTさんは「このオファーがあった時は『設定に無理があるんじゃないかな?』とは思ったんですけれども、ずっと以前から魔夜先生の作品のファンだったことから、先生からの指名ということであればやるしかない……という思いで、今回の作品は受けてしまいました(笑い)」と話している。
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原作マンガは、魔夜さんが1982年に発表し、2015年に宝島社の「このマンガがすごい!comics」でコミックスが復刻された。映画は、埼玉県民は東京都民から迫害を受けていたという設定で、東京でトップの高校・白鵬堂学院の生徒会長で東京都知事の息子・壇ノ浦百美(だんのうら・ももみ)は、アメリカ帰りの転校生・麻実麗(あさみ・れい)と出会い、2人は互いに引かれ合う。しかし麗は埼玉県出身で、2人の前に県境が立ちふさがる……というストーリー。
当時、埼玉県所沢市に住んでいた魔夜さんが「埼玉から東京に行くには通行手形がいる」「埼玉県民はそこらへんの草でも食わせておけ」などとネタにしていた。復刻するとSNSなどで話題になり、上田清司・埼玉県知事からも「悪名は無名に勝る」と“お墨付きコメント”をもらうまでになった。
同作は未完のため、映画オリジナルの要素も盛り込む。大都会・東京から虐げられた埼玉が、自由を求めて徒党を組み戦う……という原作の設定に、新たに“千葉”という対抗組織も用意する。二階堂さんが演じる百美は、外見は女性のように見えるが、東京都知事の息子というエリート。当初は映画版は、原作とは異なり女性にする方向で調整していたが、マンガを読んだ二階堂さんが「私が男性の役をそのまま演じたほうが面白くないですか?」と提案し、原作通りの男性に決まった。
麗はGACKTさんが演じる。原作者の魔夜さんは「まさかオファーを受けていただけるとは思いませんでした」と前置きし、「願ってもないキャスティングですが、この役がGACKTさんの人生の汚点にならないことを祈っております」と話している。
30年前の作品です。当時私は埼玉県所沢市に在住しておりまして、抜けるような青い空と一面緑のネギ畑に囲まれて、牧歌的ながら、本当は東京へ行くはずだったのになあ……と思いながら何となくもんもんとしていました。
良いところなんです、所沢は。しかし、これから一旗揚げようかと野心満々の当時の私にとっては、のんびりしすぎていて、なんとなく物足りなかったのは事実です。特に誰と話したわけではありませんが、周りで暮らしている所沢、埼玉の人たちも同じような気持ちでいるのではないかなあと肌で感じることがよくありました。今の生活に不満はない、でももうひとつグレードアップしたい、というような、かすかな心の通奏低音が皆さんからも感じられたような気がしたのです。
そのころ、自虐的にそういった埼玉県民の心の声をある意味痛切に描いたのが、この「翔んで埼玉」です。面白いとか面白くないとかではなく、日々の鬱憤(うっぷん)が爆発した心の声とでも言いましょうか。今見るととんでもない作品ですが、当時は素直な気持ちをそのままぶつけたのだと思います。
それが、今になって、なぜ? 全くもって私自身が一番驚いているような状況なのです。今回はそれが、さらに映画化されるということで、ありがたいやら恐ろしいやら。「本当にいいんですか?」と、最後に言わせていただきます。
二階堂さんへ
最近テレビでお顔は拝見しておりました。「何だか面白いキャラの人だなあ」と、良い意味で、思っておりましたので、今回の役はぴったりかもしれません。映画の中で思い切り遊んでいただけたらと思います。
GACKTさんへ
まさかオファーを受けていただけるとは思いませんでした。最初GACKTさんのお名前が上がったとき、そこにいた一同全員がのけぞり、次の瞬間「ありか」とうなずいたものです。願ってもないキャスティングですが、この役がGACKTさんの人生の汚点にならないことを祈っております。
◇二階堂ふみさんのコメント
埼玉のプライドをかけた戦い、そしてそこから生まれる純愛ボーイズラブ。どのような作品になるのかは全く想像できませんが、精いっぱい真面目にふざけられたらと思います!
◇GACKTさんのコメント
このオファーがあったときは「設定に無理があるんじゃないかな?」とは思ったんですけれども、ずっと以前から魔夜先生の作品のファンだったっていうことから、先生からの指名ということであればやるしかない……という思いで、今回の作品は受けてしまいました(笑い)。
原作では、東京に虐げられた埼玉が熱い魂を持って立ち上がる話ですが、映画にはオリジナルで積年のライバル“千葉”も登場し、埼玉、千葉そして東京の仁義なき戦いを私なりの解釈で、コミカルに、ダイナミックに、壮大なスケール感で描きます!
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