ライオンの隠れ家
最終話 僕たちの新しい始まり
12月20日(金)放送分
女優の中谷美紀さんが主演を務める連続ドラマ「あなたには帰る家がある(あな家)」(TBS系、金曜午後10時)の放送が13日、スタートする。直木賞作家の山本文緒さんが1994年に発表した長編小説が原作。主人公の夫が人妻と“落ちてはいけない恋”に落ちることが告知されていることから、最近はやりの“不倫もの”かと思えば、ドラマの編成を担当した高橋正尚さんは「不倫ドラマではない」と明かす。一方で、付けられたコピーは「2018年版“金妻”が誕生」。「金妻(金曜日の妻たちへ)」と言えば、1980年代に人気を博した不倫ドラマの先駆けだが、果たしてどのような意味が込められているのか……。
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ドラマは、ある夫婦の日常に潜む、不満やすれ違いなど、誰もが共感できる“リアルな生活”を基にした大人の群像劇。スタッフが100人以上の女性に、夫や子育て、仕事と家事の両立についてリサーチ。「オンナの本音」を基にした赤裸々なエピソードを盛り込んだ、ユーモラスな「夫婦あるあるネタ」が登場する。
今回のドラマ化にあたり、主人公家族の設定をマイナーチェンジ。原作では結婚して1年半だったところを13年目に変更し、その分、各キャラクターの年齢も10歳以上アップした。物語は中谷さん扮(ふん)する41歳の専業主婦・真弓が、一人娘の中学進学に伴い、十数年ぶりに仕事を始める決意をするところからスタートする。
高橋さんは「連続ドラマの主人公がいくつもの『壁』にぶつかり、それを乗り越えていくのが(ドラマの)一つのセオリーとするならば、夫の浮気以外にも、もう一つ障害を作るべきだと(思った)。いい子に見えていた娘が、思いもよらないようなトラブルの元になっていく流れにしたかったので、原作の通り、娘が赤ちゃんだと物足りない。真弓により大きなハードルを課せられるようにしました」と説明する。
そこで主人公に起用されたのが現在42歳の中谷さん。「中谷さんははつらつとしていて、何かあっても笑顔で乗り切るような、ある種の“強さ”がある。今回の主人公に求めた、内からあふれる明るさもピッタリ」と印象を明かす。
高橋さんが、最も期待しているのが中谷さんが持つ「共感力」だ。ドラマは「まずは共感してもらうことが一番のテーマ」で中谷さんへの期待は大きい。「中谷さんは女性の支持がとても高い方で、中谷さんを通して女性に共感していただけるのはすごく強みになる。たとえフィクションだとしても、まずはテレビの前で『こんな夫婦でいられたらいいな』と視聴者の気持ちを(ドラマに)向けることができたら」と力を込める。
「中谷さんはドラマで、すごく主婦であり母であり妻でもある。お友達に取材をしているらしく、撮影現場で中谷さんから、“夫婦あるある”がぽろぽろ出てきて、見えないところで、とても努力をされていると思いました。主人公が、かつて夫のことをすごく好きだった部分が透けて見える芝居」と太鼓判を押す。
さらに中谷さんの共感力を加速させる「夫婦のあるあるネタ」が随所に盛り込まれる。高橋さんは「今のリアルな夫婦を知ろうと、取材を始めると出るわ出るわ」とにやり。「まさに自分のことのように共感できることだらけで、これを盛り込まない手はないなって。どこかいびつな形になるのが夫婦で、理屈で片付けられるものではない部分を、中谷さんらがどう演じているのか大きな見どころ」と自信をのぞかせる。
「誰しも足元に広がっているであろう落とし穴に落ちてしまったとき、普段は意識していないであろう、夫婦の絆はどれだけの強度を見せるのか。夫の浮気や不倫を見せたいのではなく『夫婦の絆を信じたい』と思わせるドラマにできたら」と考えを明かす高橋さん。
「2018年版“金妻”」と位置づけた真意を尋ねると「金曜夜10時で夫婦の話」という点を挙げ「“金妻”には実はいろいろな側面があって、それこそ時代を切り取った作品でもあった。“あな家”も、現代のリアルな夫婦像を切り取っているし、目指している『こんな夫婦でいられたら』という部分にも繋がっている。少しでもこの二つの作品がリンクして、良くも悪くも物議を醸すようになれば」と思いを語った。
ドラマには真弓の夫で、真弓と対照的な人妻と“落ちてはいけない恋”に落ちる秀明役で玉木宏さん、秀明の不倫相手の茄子田綾子役で木村多江さん、綾子の“モラハラ夫”の太郎役でユースケ・サンタマリアさんも出演。高橋さんが自ら「100点満点」と自信を見せるキャスティングにも注目だ。ドラマは13日午後10時スタートで、初回は15分拡大版。
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