女優の戸田恵梨香さんと大原櫻子さんがダブル主演する映画「あの日のオルガン」(平松恵美子監督、2019年2月公開)がクランクアップを迎えたことが16日、明らかになった。映画は第二次世界大戦下での保育士と子供たちの姿を描いた作品で、戸田さんは「重たいシーンが続いていたので、自分の精神状態が普段いないところにいました」と明かしつつ、「ただ、子供たちも含めみんなと心を通わせられていたと思うので、現場はとても居心地がよかったです」と撮影を振り返った。
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一方、大原さんは「一生懸命楽しむ、楽しませるということを心掛けていました。他の保母さんは子供たちを守るということを念頭に置いているかと思うのですが、(自身が演じた)光枝の場合は子供たちと楽しもうと意識しました。日常に笑顔を探していました」と前向きに取り組んだことを明かした。
また、戸田さんは大原さんの印象について「なんて真っすぐな人なんだろうと思いました」と語り、「前を見ている姿が私にとって心の支えでしたし、いつも見ていたい人だなというふうに思いました」とコメント。大原さんは戸田さんについて「クールなイメージだったのですが、気さくで、かわいくて、会ったらもっと好きになりました」と語っている。
映画は、第二次世界大戦末期、幼い園児たちと保母たちが集団で疎開した「疎開保育園」の実話に基づいた物語。警報が鳴っては防空壕(ごう)に避難する生活が続く1944(昭和19)年、東京都品川区の戸越保育所では、保育士の板倉楓(戸田さん)、野々宮光枝(大原さん)ら保育士たちが保育所の疎開を模索。幼い園児たちを手放す不安、迫りくる空襲から子供たちだけでも助けたいと意見の分かれる親たちを保育士たちが必死に説得する中、埼玉に受け入れ先の寺が見つかる。やがて、疎開生活を始めた若い保育士らと園児たちに、空襲の影が迫る……というストーリー。
また、追加キャストとして橋爪功さん、松金よね子さん、萩原利久さん、お笑いコンビ「ココリコ」の田中直樹さん、夏川結衣さん、林家正蔵さん、陽月華さん、山中崇さん、田畑智子さんらが出演することも併せて発表された。
戸田さん、大原さんのクランクアップコメントは以下の通り。
――撮影を振り返っていかがでしたか。
重たいシーンが続いていたので、自分の精神状態が普段いないところにいました。ただ、子供たちも含めみんなと心を通わせられていたと思うので、現場はとても居心地が良かったです。板倉楓を演じるにあたっては、みんなの母となれるよう、お姉さんになれるよう、大きな心でどしっと構えていられるように心掛けていました。楓は背負っているものが多かったので、1カ月間精神的にきついことが続きましたが、有意義な時間で、すごい作品ができるんじゃないかと手応えを感じています。
――たくさんの子供たちと共演していかがでしたか?
とにかく可愛かったですね。皆が無垢(むく)で純粋で。
――初共演されたダブル主演である大原櫻子さんの印象は?
なんて真っすぐな人なんだろうと思いました。本読みの時にみんながどういうテンションなのか、どういうふうに役を作るのかを探りながらやっているのですが、さくちゃん(大原さん)は物語に感情移入していて、その真摯(しんし)な姿を見て驚きました。前を見ている姿が私にとって心の支えでしたし、いつも見ていたい人だなというふうに思いました。
――楽しみにされている方へメッセージをどうぞ。
保母さんが葛藤している姿、子供たちの目をみてもらえたらいいかなと思います。
――自身の役柄について教えてください。
一生懸命楽しむ、楽しませるということを心掛けていました。他の保母さんは子供たちを守るということを念頭に置いているかと思うのですが、光枝の場合は子供たちと楽しもうと意識しました。日常に笑顔を探していました。
――印象に残っているシーンは?
映画の中で(佐久間由衣さん演じる)よっちゃん(神田好子)と自転車に乗るシーンがあるのですが、練習してみたら昔の自転車なのでハンドルの動作やコントロールが難しく、二人で転びました。できないかもと思いましたが、監督が自転車にこだわっていらっしゃったので、何日か練習をして無事にステキな絵が撮れたのではないかと思います。
――たくさんの子供たちと共演していかがでしたか?
可愛いですね。カットがかかった後に抱っこをねだってくるので大変な現場でしたが、子供の笑顔は宝だなと思いました。当時の保母さんが守らなきゃという気持ちは私たちが経験しているよりももっと大変だと思いますが、子供たちの笑顔に救われたのは大きいのではないかと実感しました。
――共演されたダブル主演である戸田恵梨香さんの印象は?
すごくお芝居に熱くて、もっとこうしたほうが、ああしたほうが良いのではなどのディスカッションを監督とすごくされていて、とても勇ましいというか、先輩として女優さんとして勉強させていただきました。クールなイメージだったのですが、気さくで、可愛くて、会ったらもっと好きになりました。
――楽しみにされている方へメッセージをどうぞ。
この作品は、いろいろな世代、これからの世代の方にも見てほしい作品です。心が苦しくなるシーンもあるのですが、この作品はコミカルな部分があったり、子供たちの笑顔に見ている人もふと笑顔になる作品になると思います。タイトルの「あの日のオルガン」にもある、音楽のシーンも楽しんでほしいなと思います。
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