水曜日のダウンタウン
電気イスゲームトーナメント 1回戦第2試合 ほか
11月20日(水)放送分
永野芽郁さん主演のNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「半分、青い。」は、第9週「会いたい!」から第10週「息がしたい!」にかけ、鈴愛(永野さん)、律(佐藤健さん)、正人(中村倫也さん)、清(古畑星夏さん)による恋愛模様が描かれた。「朝ドラに恋愛要素はいらない」などの意見がある中、6日放送の第57回では平均視聴率21.9%(以下・ビデオリサーチ調べ、関東地区)と番組最高を記録。この2週は“恋愛ドラマの神様”の異名も持つ脚本家・北川悦吏子さんの「容赦ない筆致」が随所に発揮され、最後には前代未聞のキャットファイトも飛び出し、登場人物はもちろん視聴者をも翻弄(ほんろう)した。
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恋愛模様が加速したのは5月30日放送の第51回、清が再登場してから。律にとって“運命の相手”だった清。2人は大学で偶然の再会を果たすと、これまでの時間を埋めるように距離を縮めていく。そのころ鈴愛は、正人のことで頭がいっぱいで、秋風(豊川悦司さん)の「恋をしろ」との言葉に背中を押されると、意を決して花火に誘う。
律と清の再会では、「また、会えるかな。例えば明日とか」と話しかける律に、清が「私たち、なんか、はぐれてた迷子がやっと会えたみたいね」とほほ笑む、という、まるで少女マンガが青春恋愛映画のような、胸が“キュンッ!”としてしまうシーンを創出。
鈴愛と正人の花火デートでは、「鈴愛ちゃん、金魚みたい。近くまで来たかなって思うとすぐにいっちゃう。ひらひらって泳ぐ金魚みたい」との正人の言葉に、鈴愛が「金魚、すくってください」と返すと、正人は鈴愛の頬に優しくキス。さらに……という胸キュンなシーンが、巧みな比喩を織り交ぜたせりふと共に展開され、朝からテレビの前の視聴者を赤面させた。
とはいえ第9週「会いたい!」までは、まだまだ“恋に恋するような”初々しさが漂っていた。その風向きが変わったのが、第10週「息がしたい!」に突入し、清が律に対する執着と鈴愛に対する嫉妬をのぞかせてからだ。
4日放送の第55回で清は、律の部屋に飾られた「梟(ふくろう)会」の写真の中に“律の隣で笑顔を見せる”鈴愛を発見する。律の口から何度も「鈴愛」の名前が出てくることに不機嫌を隠さない清。律はそんな清をいとおしく感じ、「こんなことはめったにないから楽しんでおく」とうれしそうな表情を浮かべるが、清は律に抱きつくと「君、意地悪だね」とつぶやきながら、腰に回した手に力を込める……という行動に出て、その独占欲の強さをのぞかせた。
“やきもち焼き”の清を優しく受け止めるような律の対応には、女性ファンから称賛の声が上がったものの、律の胸の中で「このまま死んでもいい」と目を閉じる清には、どこか恐怖も感じさせる。その「容赦ない筆致」によって初登場時から保ってきた清の神秘性を引きはがし、生々しい女性性を表出させた。また、この日は、律の左手の薬指にマニキュアで“マーキング”する姿も描かれ、世の男性をゾッとさせた。
さらに8日放送の第59日で清は、出会ったばかりの鈴愛に対して“上から目線”でけん制。律の部屋で写真の中の鈴愛の顔に爪で×印を描くと、律の前では自らを“湿度高い系”と呼び、嫉妬深さを再度、印象付けるという、朝には全く不似合いなドロドロとした感情の発露によって視聴者を“引かせる”シーンも。
清の“昼ドラ的”なキャラは、翌9日放送の第60回でも止まらず、ついに鈴愛とつかみ合いのけんかが勃発。すでに予告編で清が鈴愛に「消えろよ!」と言い放つ場面が公開されていたが、その全貌が明らかになった。
“あるじ不在”の律の部屋で、清は「私、律に私の知らない時間があることが、嫌なの。それが過去でも」「あのさ、マグマ大使だかなんだか知らないけど、人の恋人、3回笛吹いて呼ぶのやめてくれないかな」「あなたは、律の何なの? 何なの? 消えろよ!」と怒りが爆発。
ここで鈴愛も、売り言葉に買い言葉で「律を返せ。律は私のものだ。生まれたときから律は私といたんだ!」と清に返すなど、今までの朝ドラヒロインにはなかった悪感情をぶちまけてしまう。北川さんの「容赦ない筆致」の新たな犠牲者になると共に、視聴者に衝撃を与えた。
ちなみに視聴率が番組最高を記録した第57回では、鈴愛が正人に「好きだよ」と告白するも、あえなく撃沈。それでもすがる鈴愛を正人が突き飛ばしてしまうというまさかの展開で、ここでも北川さんは容赦なし。一方、泣きっぱなしの鈴愛が、なぐさめに来た律に「裏、貸して。表でなくていい。裏、背中」と要求し、その背中に頭をちょこんと乗せるという、2人の今も昔も変わらない距離感を絶妙に描いた胸キュン名シーンも誕生した。
また、鈴愛をフッた理由を聞きにきた律に正人が、「自分、律が大事だから」「律は、東京に来て一番にできた友達だから」「吉祥寺に誘ってるんだよ、一緒に住もうって、こんな友達、友達って言ってもいいかな?」「初めてなんだよ」と気持ち伝えるという、文字だけ見ると“ほぼBL”と、1話の中での急激な感情の急降下ぶりで、視聴者を大いに沸かせた。
制作統括の勝田夏子さんは以前、「東京・胸騒ぎ編」の恋愛模様について、「三角関係なのか四角関係なのか……。北川さんのある種、容赦ない筆致といいますか、子供のころ、無邪気に糸電話で呼び合っていた2人(鈴愛と律)では、いつまでもいられないという感じになっていく」と予告していたが、その言葉通りの結果に。
11日から始まる第11週「デビューしたい!」では、清との衝突により、鈴愛は律から「もう幼なじみのままではいられない」と距離を置かれてしまうという。正人にフラれ、律をも失った鈴愛は、失意のどん底からどうやって立ち直るのか。今後の展開に注目だ。
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2024年11月22日 00:00時点
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