忽那汐里:インタビュー(上) ピンク髪のキャラクターでハリウッド映画出演 今後やってみたい役は…

映画「デッドプール2」に出演した忽那汐里さん
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映画「デッドプール2」に出演した忽那汐里さん

 女優の忽那汐里さんが出演している米ハリウッド映画「デッドプール2」(デビッド・リーチ監督)が全国で公開中だ。今作は、ライアン・レイノルズさん演じるマーベル・コミックの異色ヒーローが活躍する映画「デッドプール」の続編。今作で忽那さんは、キュートな謎めいた暗殺者ユキオを演じている。忽那さんに、ハリウッドのメジャー作品に初出演した感想や撮影秘話などについて聞いた。

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 ◇ピンク色の髪を「単純に楽しめた」

 忽那さんは今作への出演について、「オーディションは3次まであったのですが、合格して、出演が決まりました」とうれしそうに振り返り、「今までもオーディションをたくさん受けてきましたけど、前作がものすごくヒットした作品ということもあり、受かったときはちょっと実感がなかったです」という。オーディション前には「ジョークの質がすごく高いですし、一度見ただけでは分からないものもたくさんあるので、もう一度、見ました」と前作を観賞したことを明かす。

 自身が演じるユキオについて、「原宿っぽいファッションの女の子の写真がイメージとしてありましたし、東京スタイルな天真爛漫(らんまん)で可愛いもの好きのキュートな女の子という、求められたキャラクター像がはっきりしていた」といい、「ヒーロー作品ですし、ほかのキャラクターも全員濃いので、今回は(自分も)キャラクター重視でやろうと思いました」と役作りを語る。

 ユキオはピンク色の髪が特徴的だが、実は「もともと台本には特に書かれていなかった」という。「メーク合わせのとき、ザジー・ビーツさんのスタント用のアフロなど、たくさんあるカツラの中に一つだけ、めちゃくちゃ派手なピンクのカツラがあって。『あのピンクの髪は誰なんですか?』って聞いたら『あなたのだよ』って言われて(笑い)。そこで初めて(知りました)。『あまりにも変だったらやめてもいいけど、1回かぶったところを見たい』と言われて」と髪色が決まった経緯を打ち明ける。

 驚きながらもピンク色の髪となった自分を見て、忽那さんは「似合っているのか、似合っていないのか、いまいち分かりませんでした(笑い)。でもあのヘアスタイルは、単純に楽しめました」と楽しそうに振り返る。

 ◇主演ライアン・レイノルズのいい人ぶりに驚き

 デッドプール役のレイノルズさんの印象を、忽那さんは「ものすごく気を使う方。礼儀正しくて、腰が低くて、ちょっとびっくりしました」といい、「プロデューサーであることも大きかったと思います。主役だけじゃなく、全体のバランスとかみんなが現場で雰囲気よくアットホームな気持ちになれるように声をかけたりしていました。アメリカの(俳優の)中でも特にいい人という評判を聞いていましたが、実際に会って、もっと印象がよくなりました」と語る。

 そんなレイノルズさんとの共演シーンでは「デッドプールの存在なしには、どうにもこうにも成立しない作品。一緒のシーンは心配することなく、そのペースの中に自分もついていくというような感じでした」と話す。

 ◇アクションシーンを演じるのにジム通いが役立ったが…

 今作で忽那さんはアクションにもチャレンジしている。「アクションシーンはそれほど多くはありませんでしたけど……。(ユキオが使っているのは)新しい武器なので、あれを楽しんでいただければと思います」と力を込める。

 普段から美容と健康のことを考え、体を動かしているという忽那さんだが、「それはよかったと思いました。特に女性は腕の筋肉がないので、ちょっとでも運動するのとしないのでは違います。例えば持てるものも、普通にスーパーに行って食材を買うだけでも全然違います(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに話す。

 ただ、「前は全然運動とかしていなくて、ジムとかも自分に合わない気がして行ってなかったんです。でも、メンタル的なことも一緒に鍛えていくような感じがあるし、体を動かすことは大事だなって思うようになりました。体を動かすことは嫌いじゃないですが、ジムのつらくてしんどい感じが苦手で(笑い)。(ジム通いは)健康のために」と率直な気持ちを語る。

 ◇女優の仕事「実感がないままやっている気も」

 女優としてさまざまな役を演じている忽那さん。女優という仕事について「一向に自分が、どういう仕事をしているのかという実感がないままやっている気もします。『こういうような仕事をしている』というのを、ちゃんと理解しているのかなって」と自己分析する。

 続けて、「例えば、ご両親が俳優などの仕事をされていた方であれば、身近にずっと(その仕事が)ありますけど、そうではなく、ましてや(自分のように)シドニー(のような海外)で育った場合、どこか、そのときのままの自分で少しだけ表現をするような仕事をしている感覚。そんな感覚のままずっとやっています」と仕事に対する自身の感覚を説明する。

 そして、挑戦してみたい役は「殺し屋」といい、パブリックイメージにはない役どころだが、その理由を「楽しそうなのでやってみたいです(笑い)」と語る。今作で演じるユキオの今後も気になるところだが、「まだ何も伺っていないですけど、(映画の)後半は(今後の登場も)なんとなくにおわせていますし、私自身もちょっと楽しみにしています」と笑顔で語った。

 <プロフィル>

 くつな・しおり 1992年12月22日生まれ、オーストラリア出身。2006年に「第11回全日本国民的美少女コンテスト」の審査員特別賞を受賞。07年にドラマ「3年B組金八先生」(TBS系)で帰国生徒の役を演じ女優デビューを果たす。09年には「守護天使」のヒロイン役で映画デビュー。以後、ドラマ「家政婦のミタ」(日本テレビ系)や映画「BECK」(10年)など数々の話題作やヒット作に出演し、13年度の日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞した。主な出演作に「許されざる者」(13年)、「オー!ファーザー」(14年)、「黒衣の刺客」、「海難1890」(ともに15年)、「女が眠る時」(16年)、「キセキ-あの日のソビト-」(17年)などがある。

 (取材・文・撮影:遠藤政樹)

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