米倉涼子:黒木華の悪女ぶりに「負けた」? 松本清張ドラマで初共演

スペシャルドラマ「疑惑」に出演する米倉涼子さん(右)と黒木華さん
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スペシャルドラマ「疑惑」に出演する米倉涼子さん(右)と黒木華さん

 女優の米倉涼子さんが、松本清張原作のスペシャルドラマ「疑惑」(テレビ朝日系、2019年放送)に主演し、黒木華さんと初共演することが19日、明らかになった。2人はこのほど千葉県南房総市のロケ地で取材に応じ、米倉さんは「大好きな女優さんなので楽しみにしていた。緊張しているし、刺激になります」、黒木さんも「一緒にお芝居をしていると面白くてたまらず、とても楽しいです」と語った。

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 ドラマは清張作品の中でも屈指の人気を誇る名作サスペンスが原作。1982年の実写映画と同じく、原作小説の男性弁護士を女性にして、現代の解釈を加えるという。米倉さんは「最低の弁護士」と陰口をたたかれるが有能な女性弁護士・佐原卓子役で、別の弁護士からの依頼で、保険金目的で夫を殺したという疑惑がささやかれる「鬼クマ」の異名を持つ悪女・白河球磨子(黒木さん)の弁護を引き継ぎ、エキセントリックな球磨子の言動に振り回されながらも、真相を追求していく……というストーリー。

 「黒革の手帖」や「けものみち」といった清張作品で、たびたび悪女を演じてきた米倉さんだが、今回は悪女に手を差し伸べる弁護士役で、「また違った角度から物事も考えられるので、勉強になります」とコメント。黒木さんについては「彼女が演じる球磨子を初めて目の当たりにしたときに『うわっ!』と圧倒されて、プロデューサーさんにも『私、負けたっぽい……』と漏らしたんですよ(笑い)」と告白し、「先日撮影した接見室のシーンでも、球磨子の表情や動きに、私も思わず影響を受ける場面がありました。そういう化学反応はとても刺激になりますし、お互いにいい形で影響し合えていたらいいなと思いながら、撮影に臨んでいます」と明かした。

 一方、黒木さんは、「米倉さんと共演できて、うれしいです。以前から『きれいな人だなぁ』と思っていたんですけど、実際にお会いしたら、本当にきれい」「何をしてもドンと構えていてくださる感じなど、卓子の魅力が米倉さん自身からも強く感じられて、一緒にお芝居をしていると面白くてたまらず、とても楽しいです」と話した。自らが演じる球磨子については「難しいです。過去の作品を見ても捉えどころのない球磨子さん。私はこれまで(共演男性に)3歩下がってついて行く役が多かった。球磨子のような悪女を演じているとどうしても舞台っぽいお芝居になってしまうなど難しい部分が多く、日々迷いながら演じています」と明かしていた。

◇米倉涼子さんのコメント

 1982年の映画版が好きで何度も見ていたので、私と同じ弁護士役を演じられた岩下志麻さんにもすぐに報告しましたし、撮影前は「志麻さんのように格好良くて、落ち着いていて、ぶれのない弁護士を演じられたらな」と思っていたんです。でも撮影初日に、それは無理だと気づきました(笑い)。実際に演じてみて気づいたのは、私には私らしい卓子像があるんだろうな、ということ。過去に出演した松本清張作品で悪女役が多かったせいか、少し球磨子寄りになっている感もありますけど(笑い)、その分、新しいキャラクターができているような気がします。

 また、今回は悪女を受け止める側の役。何をしでかすか分からない球磨子のような女性を相手にすると、「悪女役は自由なぶん、受け止める側はいろいろ我慢しなきゃいけないんだな。自分が悪女を演じていたときも、周りはそう思っていたんだろうな」と実感して、また違った角度から物事も考えられるので、勉強になっています。

 黒木さんは私も大好きな女優さん! 共演を楽しみにしていたので、撮影が始まった今も緊張しています。実は、彼女が演じる球磨子を初めて目の当たりにしたときに「うわっ!」と圧倒されて、プロデューサーさんにも「私、負けたっぽい……」と漏らしたんですよ(笑い)。先日撮影した接見室のシーンでも、球磨子の表情や動きに、私も思わず影響を受ける場面がありました。そういう化学反応はとても刺激になりますし、お互いにいい形で影響し合えていたらいいなと思いながら、撮影に臨んでいます。

 「疑惑」は押しも押されもせぬ名作。タイトルに負けない作品にできたらいいな、と思います。

◇黒木華さんのコメント

 米倉さんと共演できて、うれしいです。以前から「きれいな人だなぁ」と思っていたんですけど、実際にお会いしたら、本当にきれいで! また、何をしてもドンと構えていてくださる感じなど、卓子の魅力が米倉さん自身からも強く感じられて、一緒にお芝居をしていると面白くてたまらず、とても楽しいです。

 私は普段、三歩下がってついていく女性の役をいただくことが多いのと(笑い)、球磨子のような悪女を演じているとどうしても舞台っぽいお芝居になってしまうなど難しい部分が多く、日々迷いながら演じています。ただ、今回の脚本では球磨子=ミステリアスな悪い女という描写に終始せず、割と人間味のある、どこか悲しい部分がちゃんと描かれているので、そこが私にとっては唯一やりやすい点です。

 1982年の映画版で桃井かおりさんが演じられた球磨子はチャーミングで、悪くて、すごく色っぽい魅力的な女性だったのですが、それをすべてまねるなんて自分には無理(笑い)。ただ、チャーミングさだけは何とか取り入れたいですし、悪の魅力もちゃんと出したいなと思っています。とにもかくにも、好き勝手やれる役ではあるので、いろいろと模索しながら楽しく演じていきたいです。

 松本清張作品に挑戦するのは今回が初めてですが、本当に面白いなと日々感じています。「疑惑」はミステリアスで、すごくエンターテインメント性に富んだ物語。女同士のやり合いをぜひ楽しみながら見ていただきたいです。

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