Back Street Girls:極道×アイドルマンガがテレビアニメ化 原作者に聞くトンデモ展開の誕生秘話

テレビアニメ「Back Street Girls -ゴクドルズ-」のビジュアル(C)ジャスミン・ギュ・講談社/犬金企画
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テレビアニメ「Back Street Girls -ゴクドルズ-」のビジュアル(C)ジャスミン・ギュ・講談社/犬金企画

 テレビアニメ「Back Street Girls -ゴクドルズ」が、7月3日深夜からTOKYO MXほかで順次、放送される。原作の「週刊ヤングマガジン」(講談社)で連載中のマンガは、極道を貫いてきた男3人が性転換と整形でアイドルになるというトンデモ展開が話題になっている。原作者のジャスミン・ギュさんはアニメ化が決まり「うれしかったけど、大丈夫かな(笑い)」と少し戸惑ったところもあったという。ギュさんに、極道、アイドルという意外過ぎる組み合わせのマンガの誕生秘話を聞いた。

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 ◇ヤクザ映画は好きだがアイドルは…

 ジャスミン・ギュさんは「実際のアイドルは絶対にやらないようなことをさせて、読者にカタルシスを感じてほしい」という考えがあったという。そもそも、ヤクザ映画は好きで「北野武監督が好きですし、『ゴッドファーザー』は30回以上見ました。海外のマフィア映画も好き。ネーム(マンガの下描き)を描く時は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『ゴッドファーザー』の音楽を聴いています」と話す。

 一方で「アイドルは、ファンというほどではなく、詳しくなかった。ドキュメンタリーを見たり、アイドルの劇場にも行ってみましたが、ほとんどが想像でマンガを描いています。一般の人が知っているレベルのアイドル像がベースです。ずっと男ばかり描いていて、担当編集から『可愛い女の子を描いてよ!』と言われていたんです。女の子が苦手で描けなかった。うまくなりたい!というところもありましたね」と明かす。

 ◇ギャグマンガ家ならではの苦労も

 女性を描くのが苦手だったが、中年男性を描くのは好きだった。「感覚的なものですが、おじさんを描くのは大好きなんですよ。おじさん自体が好きなわけではないですよ(笑い)。これまでも、ボツになった読み切りで、中年男性同士の純愛物語もありました」と話す。

 女性を描くのは苦労が多かったようだが、「最近は少しはうまくなっていると思うので、楽しくなってきました。コミックスの第1巻の最初の方で、女の子が可愛くないな……と思っても、だんだん可愛くなるので、読み進めてほしいですね」と、少しずつ自信が付いたようだ。

 ギャグマンガ家ならではの苦労もある。「基本的に1話完結のマンガなので、オチを作るのが、楽しさでも苦しさでもあります。いろいろな人に怒られるんじゃないかな?と怖くなることもあります。ギャグに関してはインプットをしているわけではなく、絞り出す感じですね。今日中に作る……とひたすら考える。カフェやファミレスで考えるのですが、周りの人は『あの人、何だろう?』と不思議でしょうね」
 ◇アニメでは若い女の子にひどいことを言わせ…

 アニメでは、ゴクドルズの歌うアイドルソングも放送される。マンガでは当然、音を聴くことができなかったので、アニメならではの魅力になりそうだ。「素晴らしい曲に仕上がっています。自分の頭の中で鳴っていたものと近いですね。本当に音楽になると思って歌詞を書いたわけではありませんが、趣味で音楽をやっているので、ぼんやりとはイメージがあり、たまに歌いながら書いています。アニメでは、いい曲に仕上がっていて、すごいなあ……」と太鼓判を押す。

 さらに「声優さんの演技のギャップが面白い。アフレコもお邪魔しました。(ゴクドルズを演じる)若い女の子にひどいことを言わせて、申し訳ない気持ちです。メインキャラが素晴らしいですけど、脇役の声優の方も豪華です。脇役も多いマンガなので、そこにも注目していきます」とも話す。

 原作は「週刊ヤングマガジン」で2015年に連載が始まり、約3年続いている。「短期で終わると思っていたんですけどね。描きながら、このキャラを動かしたら面白いな……と長くやりたくなってきた。しばらく描いていなかったキャラが『オレも出してくれ!』と言ってくるような感覚もあったり」と語るギュさん。個性的過ぎるキャラたちがマンガ、アニメで今後も大暴れしてくれそうだ。

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