映画「散歩する侵略者」(2017年)などで知られる黒沢清監督がメガホンを取る、日本とウズベキスタンの共同製作映画のタイトルが「旅のおわり、世界のはじまり」と発表され、女優の前田敦子さんが主演を務めることが10日、分かった。映画は、ウズベキスタンでのオールロケーションで撮影をしており、前田さんが長編映画で海外オールロケをするのは今回が初めて。
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映画は、日本とウズベキスタンの国交樹立25周年、日本人が建設に関わったナボイ劇場の完成70周年を記念して製作される。黒沢監督が脚本も担当する。19年公開予定。前田さんは、日本のバラエティー番組のクルーと共に取材のためにウズベキスタンを訪れた女性レポーター・葉子を演じる。葉子が現地のコーディネーターや異文化の人々との交流を通して新しい世界を開き、成長していく姿が描かれる。
前田さんが映画の主演を務めるのは、黒沢監督の「Seventh Code」(14年)以来となる。「Seventh Code」は、もともと前田さんの4枚目シングル「セブンスコード」のミュージックビデオとして、音楽サイドから黒沢監督に制作を依頼したもので、ロシアのウラジオストクでオールロケ撮影された中編作品。日本では2週間限定で劇場公開された。
前田さん、黒沢監督のコメントは以下の通り。
この作品は撮影がウズベキスタンということで、最初からなんとしても前田敦子さんに出演していただきたいと思っていました。かつて「Seventh Code」でミュージック・ビデオの監督の依頼を受けた際に、秋元康さんが「前田敦子を東アジアでもなく欧米でもなく、その間あたりの日本から近いようで遠い文化に置くと、彼女の個性がとりわけ際立つのではないでしょうか」とおっしゃっていて、実際この撮影時、ウラジオストクでの前田さんの存在感は強烈でした。そういう経緯から今作は前田さん以外あり得ませんでしたし、私にとっては「一九〇五」(黒沢監督が監督を務め、前田さんが出演する予定だった日中合作映画。13年に製作中止に)からの念願でもありました。
前田さんは、役柄を一瞬で直感的につかんでその役のセリフなり、仕草なりを全く自然に表現できるのです。これは彼女の生まれ持った才能でしょう。つまり天才ですね。一方、若いころからの訓練の成果なのか、仕事の現場では何一つ物怖じ(ものおじ)せず、躊躇(ちゅうちょ)もしません。そしてカメラに映ると、他の何物にも似ていない強烈な個性を発揮します。いやはや日本にも、ものすごい女優が出現しました。
「一九〇五」のお話をいただいてから6年たち、黒沢監督の作品で主演を務めるのは、私にとっても一番の夢でした。お話をいただいた際、黒沢監督から「ウズベキスタンといえば、前田敦子だと思いました」と言われた時は、どうしてかなと思ったんですけど(笑い)、黒沢監督のこれまでの作品と異なる色になる作品に関わることができてうれしいです。ウズベキスタン現地へ行く前は、すごく構えてしまっていたのですが、驚くほど良い所だと思いました。街の人たちも、本当にいい人で、言葉が通じなくても、この国なら生きていけると、異国で初めて思いました。AKBとして7年、AKBを卒業して今年で6年。ちょうど半分くらいのところにきて、今回、女優としてすごく良い経験をさせてもらい、幸せだと思えるところまで、たどり着いたと思っています。
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