水曜日のダウンタウン
名探偵津田 第3話
12月11日(水)放送分
3回のパイロット版を経て、今年4月からレギュラー化された、NHKの番組「チコちゃんに叱られる!」(総合で金曜午後7時57分ほか)が話題だ。“5歳の女の子”チコちゃんが問いかける素朴な疑問に答えられないと、「ボーっと生きてんじゃねえよ!」と叱られてしまうという、今までにないスタイルの雑学クイズ番組で、おませで物知り、かつ口達者なチコちゃんの“MC力”に負うところも大きい。このチコちゃんの声を担当しているのが、“キム兄”ことお笑いタレントの木村祐一さんだ。「チコちゃんはなぜ5歳?」「キム兄の言葉は台本通り?」といったチコちゃんと木村さんに関する“素朴な疑問”に迫ってみた。
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番組の骨子を考え出したのは、フジテレビで数々の人気番組を手掛けてきた小松純也さん。「5歳の女の子にクイズを出され、知らないと『ボーっと生きてんじゃねえよ!』と叱られる」という大部分のアイデアはその時点で存在していたという。
そもそもなぜ5歳だったのか? 5歳といえば小学校に上がる手前。おかしな言葉を覚えて、大人と対等な口を利こうとする時期ともいえる。背伸びした感じもまだ可愛くて、何かを言われた側がイラッとくるかこないか、そのギリギリのちょうど境目にあたるのが、5歳あたりと考えた。
NHKの水高満チーフ・プロデューサー(CP)は「3歳だと、そこまで大人と対等な口を利く感じでもないし、これが小学5年生くらいになると理屈っぽくなる。チコちゃんは毒舌な面があるので、小学生とかに『お前つまんねーやつだな』って言われたら、ちょっとイラッとくるじゃないですか? 5歳の女の子という社会生活や規律に染まってないところも、ちょうど良かった」と狙いを明かす。
おかっぱ頭に刈り上げという、昭和の匂いがプンプンするチコちゃんのルックスも、5歳なのに大人と対等な口を利くというキャラクターを具現化したもの。水高CPは「チコちゃんは『毒舌』といわれていますが、ある意味『正直』ともいえる。正直な、おませでこまっしゃくれている女の子。今の子供たちは割と大人の顔色をうかがって、いい子ちゃんでいることが多いから、そうではなくて、ちょっと懐かしい感じにしてみました」と説明する。
チコちゃんに関する素朴な疑問で、たまに耳にするのが「本当に存在しているの?」ということ。もちろん、スタジオには共演者とともに“いる”といい、木村さんのMCに合わせて“リアルタイム”で動いてもいる。水高CPによると「秘密事項で詳しいことは言えないんですけど、収録にチコちゃんはいます」と回答。豊かな表情に関しては「チコちゃんがNHK的じゃない言葉を吐くので、顔がアニメみたいに動いた方が可愛い」と毎回ハリウッド映画並みの作業でCGを付けているという。
またボイスチェンジャーで声色(こわいろ)こそ変えているものの、木村さんのMCぶりと5歳の女の子のなりきりぶりも鮮やかだ。起用の理由は「ギャップが激しい人の方が面白いし、臨機応変なアドリブ力がある」こと。しかし、スタッフも「ここまで女子しゃべりがはまるとは」と予想以上の手ごたえを感じているという。
収録では大まかな流れ以外は木村さんに「お任せ」で、「ナインティナイン」の岡村隆史さんら共演者とのやりとりは「8割はアドリブ」。水高CPと共に番組作りを支えるNHKエンタープライズの西ヶ谷力哉エグゼクティブ・プロデューサーも「出演者のちょっとした情報、どんなドラマに出ていたとか、こんなコンテストに出ていたとか、ご自身で調べて、その人のどこをつつけば“ハッ”とするのかを常に考えている」と脱帽する。
さらに「木村さんは作り手側の視点を持っている、スタッフマインドがある。言われたことをやるってだけの人だったら、こうはうまくいってなかった」と語っていた。“5歳の女の子”チコちゃんとして意外な魅力を発揮している、キム兄のMCには今後も注目だ。
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