水野美紀:「奪い愛」「あな渡」…男女の愛憎劇に高マッチング 「人の心をざわつかせる芝居」が魅力

ドラマ「あなたには渡さない」で木村佳乃さん(左)と共演する水野美紀さん。第6話の1シーン(C)テレビ朝日
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ドラマ「あなたには渡さない」で木村佳乃さん(左)と共演する水野美紀さん。第6話の1シーン(C)テレビ朝日

 昨年放送のドラマ「奪い愛、冬」(テレビ朝日系)での“怪演”が話題となった女優の水野美紀さんが、放送中のドラマ「あなたには渡さない」(同局系)で、再び男女の愛憎劇に挑んでいる。「奪い愛」では、夫を奪われる妻役だったが、今作では、したたかに他人の夫を奪い取る女社長役で、木村佳乃さん演じる妻に対して、「ご主人をいただきに参りました」と強烈なセリフを言い放つ。両作品を手がけた同局の川島誠史プロデューサーは、水野さんについて「こういう作品とのマッチングが非常に大きい」と語る。水野さんの芝居の魅力を聞いた。

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 ◇「奪い愛」では夫を奪われる妻を“怪演” 「ここにいるよぉ~!」

 「奪い愛、冬」は、登場人物の「“奪い合う”恋愛=奪い愛」を描く過激な恋愛ドラマで、放送作家の鈴木おさむさんが脚本を手がけた。水野さんは、大谷亮平さん演じる夫・森山信が、自分から離れていくのを食い止めようとする妻・森山蘭役で、倉科カナさん演じる池内光と夫の浮気現場を押さえるため、クローゼットの中に潜み、二人がキスをすると、「ここにいるよぉ~! 見てたよ~!」と言いながら飛び出す……といった“怪演”が話題となった。

 川島プロデューサーは「あのキャラクターは、水野さんが作ってくださったキャラクター。どちらかというと感情を表出する方だった」と振り返り、今作で演じる女社長・矢萩多衣については「『奪い愛』は奪われる方、『あなたには渡さない』は奪う方で、あのときとはキャラクターも前提も全く違う」と語る。

 ◇多衣は「非常に難しい役」 

 今作では、結婚20年の専業主婦・上島通子(木村さん)の前に突然現れ、通子の夫・旬平(萩原聖人さん)の愛人と名乗り、「ご主人をいただきに参りました」と告げて、旬平の署名入り離婚届を突き付ける矢萩多衣役を演じている水野さん。“ある方法”で6000万円を一夜にして作り、通子に貸すなど、単なる「男の取り合い」ではない不思議な関係性で通子と対峙(たいじ)していく役どころだ。

 多衣について「非常に難しい役」と表現した川島プロデューサーは「あまり感情を表に出さないけれど、結構、芯食ったことをずどんと言う感じがある」「感情を押し殺してでも、だからこそ、醸し出す怖さみたいなところを出す役」と紹介。

 そんな多衣役に、水野さんを起用した理由については、「言葉の重み的なところも、水野さんだったら、絶対表現してくださるだろうなっていうところが大きいですし、(『奪い愛』のときとは)表現方法は全然違うんですけど、実力のある女優さんですので、間違いなくやってくださる(と思った)」と説明する。

 ◇水野美紀の芝居は「人の心をざわざわさせる」

 水野さんの芝居について、「こういう作品(男女の愛憎劇)とのマッチングが非常に大きい」と話した川島プロデューサーは、「ちょっとした仕草とか、指先のちょっとした表現とか、すごく色っぽいですし、セリフ回しというか、語尾というか、非常に人の心をざわざわさせるような感じが、水野さんのお芝居にはあるなと思っていて。そういうところがぴったりなんじゃないかなと感じています」と話す。

 15日放送の第6話では、最終章に突入する。予告動画では、通子から「もしかして妊娠していない? おなかの子ってもしかして……」と尋ねられた多衣が、「それ以上聞かないで。今は言いたくない……」と答える姿が映し出されている。さらに、通子に対して多衣が「私がどんな女かまだ分かっていないのね」と高らかに笑う姿も。恐るべき愛人の本性が明らかになり……という展開だ。「人の心をざわざわさせる」水野さんの芝居にも注目したい。

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