桃井かおり:中村蒼ら演じる詐欺グループに「本気でだまして」

NHK名古屋放送局であった3月に全国放送される番組「NHKスペシャル『詐欺の子』」の会見に出席した中村蒼さん(左)と桃井かおりさん
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NHK名古屋放送局であった3月に全国放送される番組「NHKスペシャル『詐欺の子』」の会見に出席した中村蒼さん(左)と桃井かおりさん

 女優の桃井かおりさんが6日、NHK名古屋放送局(名古屋市東区)で開かれた、3月に全国放送される番組「NHKスペシャル『詐欺の子』」の会見に出席した。桃井さんは、番組のドラマパートで振り込め詐欺の犯人逮捕に協力する72歳の女性を演じる。主人公で詐欺グループの「かけ子」を俳優の中村蒼さんが演じており、桃井さんは「監督と話して『私を丸ごと本気でだましてください』と言いました」と明かした。

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 番組は、2003年ごろに始まり、現在の被害は毎日1億円とも言われている振り込め詐欺を取り上げる。言葉巧みに洗脳され “詐欺の子”となる若者たちの姿を、複数の事実を基に、ドラマとドキュメンタリーで構成する。

 ドラマパートの撮影は終盤に差し掛かっており、桃井さんは「私みたいな女がだまされる時代になったんですね。そういう年(年齢)になったんですね」と感慨深げ。「被害者の方は若い方も多いんです」と被害者に思いをはせつつ、「ドキュメンタリー仕立てということなので、監督と話して『私を丸ごと本気でだましてください』と言いました。もちろんセリフはあるんですが、電話に出るシーンも丸ごとだましていただいて、台本のセリフはほとんど言ってません」と撮影の様子を明かした。

 一方、詐欺グループの「かけ子」・大輔を演じた中村さんは「自分の周りでは、このような詐欺に遭ったという話は聞いたことがなかったので、どこかひとごとだったのですが、資料や監督の話を聞いて、今までなかったからといって安心できないと思いました」とコメント。若者が詐欺グループの一員に引き込まれることについて「僕自身は性格上、流されやすいんです。ダメだなと思いつつも勇気が出ない。食べたいものがあっても友達に合わせるというレベルのことですけど。僕が演じた大輔はそれとは違って、簡単にお金が稼げるからという動機ですが、自分に置き換えたら友情関係から引き込まれてしまうのも、分からなくはないなと思います」と振り込め詐欺が身近に潜んでいることを実感している様子だった。

 番組は総合テレビで3月23日午後9時から放送。ドラマパートは、2019年の東海地方が舞台。一人暮らしの光代(桃井さん)に娘をかたる女から電話がかかってくるが、以前もだまされた経験のある光代は警察に通報し捜査に協力。現れた「受け子」で14歳の和人(渡邉蒼さん)は逮捕される。和人を送り込んだ幼なじみで「かけ子」の大輔(中村さん)と「見張り」の遠山(長村航希さん)は巧みなうそで荒稼ぎを繰り返していた。やがて遠山も逮捕され、二人の様子を見るために裁判所に傍聴に訪れた大輔は、証人として現れた光代の話を聞くうちに心が動かされる……というストーリー。「受け子」をしている身元不明の家出少女を髙橋ひかるさん、大輔の母親役を坂井真紀さん、詐欺グループの首魁(しゅかい)を映画「カメラを止めるな!」で主演した濱津隆之さんが演じる。

 会見には、和人役の渡辺さん、遠山役の長村さん、遠山の国選弁護人を演じたイッセー尾形さん、演出の川上剛さん、制作統括の吉永証さんも出席した。

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