現在公開中の映画「あの日のオルガン」(平松恵美子監督)で戸田恵梨香さんとダブル主演を務めた歌手で女優の大原櫻子さん。戦火厳しい中、子供たちを守るために命を懸けた保母さんたちの生き様を通じて、戦争の悲惨さや、命を未来につなぐことの尊さを描いた本作で、天真爛漫(らんまん)な保母という、物語の弛緩(しかん)的な部分を一手に担うという難役を見事に演じ切った大原さんの可能性とは……。
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大原さんといえば、2013年公開の映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」のオーディションで約5000人の中からヒロインの座を射止めると、演技未経験ながら、パワフルな歌声と、みずみずしい表現力で高い評価を受けた。さらに劇中バンド「MUSH&Co.(マッシュアンドコー)」のボーカルとして、シングル「明日も」でアーティストデビューも飾っている。
その後も、伸びのある歌声で音楽活動を続ける傍ら、女優としてもドラマや映画ばかりではなく、歌唱力を生かしミュージカルでも活躍。演技と歌というチャンネルの違うジャンルで“表現”に挑んできた。そんな彼女が、デビュー作以来、久々に上位番手で出演した映画が「あの日のオルガン」だ。
大原さん演じる保母の光枝は、疎開保育園を無事遂行させるために、子供たちの“命”を預かるという非常に緊張感ある任務を遂行する中、子供たちの目線に立って行動している存在だ。大原さんの明るく元気で、笑顔が似合うというパブリックイメージに沿った役柄で、本人もインタビューでは「自分と根本が一緒だなと思った」と語っている。
その意味では演じることに大きな戸惑いはなかったかもしれないが、この役は、戸田さん演じる「怒れる乙女」板倉楓とは水と油の存在。作品のトーンとは正反対の役柄のため、悪目立ちしてしまうと、映画全体の重厚さを損ねてしまう。もちろんそういったバランスは、監督がしっかり演出する部分ではあるのだが、演じる側からすれば非常に難易度の高い役柄だと言える。
そんな中、大原さん演じる光枝がシーンに入ってくると強いコントラストが生まれる。シンプルに言えば“異質感”なのだが、決して不快ではない。もっと言えば、なにかを期待してしまう存在として、劇中で目が離せないのだ。
◇“不協和音”が見ている人をより惹きつけるスパイスに
この“異質感”の正体はなんなのだろうか。もちろん、設定として、他の保母とは明らかに違うキャラクターであるのだから、異質だと感じることはある意味当たり前だ。しかし、劇中でまったく浮くことなく、調和がとれている。この調和は、大原さんの独特の“間”からくるのではないかと思われる。
近年、ミュージシャンが映画やドラマに出演する機会が増えた。その際、監督や演出家はミュージシャンが持つ独特の“間”が物語に“不協和音”をもたらすことがあると述べていた。ここで使っている“不協和音”はマイナスな意味ではなく、見ている人をより惹(ひ)きつけるスパイスのようなもので、物語が単調にならないという効果を生み出す。
本作で大原さんが作り出している“間”は、張り詰めた糸を一瞬緩める。雑巾がけをするシーン、おねしょした子供を追いかけるシーン、佐久間由衣さん演じる好子を後ろから抱きしめるシーンなど、一瞬だがホッとし、頬が緩む。この点をインタビューで投げかけたとき、大原さんは、自分自身にそういうものが本能的に身についているかどうかは分からないと言いつつも「芝居の間」は意識していると語っていた。
その言葉通り、楓に叱咤(しった)激励される光枝のシーンは、シビアな言葉で責められているにもかかわらず、胸が苦しくなるような緊張感はない。光枝が行方不明になり「もしかしたら乱暴されてしまったのかも」と楓が心配する中、ひょっこり現れて「枯れ葉の中で寝てしまった」と悪びれずに言い放ち、強烈な平手打ちを見舞われるシーンですら、なんともいえないおかしみが感じられる。
◇「何もしないとき、その人の芝居が出る」と語っていた
「何もしないとき、その人の芝居が出る」と語っていた大原さん。ただたたずんでいるだけで、何かをしているような存在感がある女優になることが目標だという。
昨年、日本大学芸術学部の映画学科を卒業し、演じる側だけではなく、モノづくりの視点も増えた。「もっと映画をやっていきたい」と意欲を見せていただけに、今後、女優としてさらに多くの作品で彼女の演技を見る機会が増えることを期待したい。(磯部正和/フリーライター)
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