女優の前田敦子さん主演の映画「旅のおわり世界のはじまり」(黒沢清監督)が、6月14日からテアトル新宿(東京都新宿区)ほかで公開される。中央アジア・ウズベキスタンを仕事で訪れた女性が、自分を見詰め直し成長していく姿を描く。脚本も書いた黒沢監督が、プロット段階から「直感」でイメージしていたという前田さんの演技に魅了される。名曲「愛の讃歌」の歌唱シーンも見どころだ。
あなたにオススメ
朝ドラ:来年度後期は「ブラッサム」 主演は石橋静河 モデルは…
バラエティー番組のリポーター、葉子(前田さん)は、幻の怪魚を探すためにウズベキスタンへやって来た。目当ての獲物は姿を見せず、スタッフのイライラは募っていく。そんな中、葉子は街で美しい装飾の施された劇場に出くわし、その中で、夢と現実の交錯する不思議な体験をする……。加瀬亮さん、染谷将太さん、柄本時生さんらも出演している。
葉子がホテルから出てくるところから映画は始まる。何が起きているのかが分からず、一瞬戸惑う。それこそが監督の狙いだ。脚本執筆の際、「主人公1人だけを描いてみよう」というルールを自らに課したそうだが、それが奏功。見ているこちらも葉子と同化し、異国の地へ放り出される感覚に陥るのだ。
夢は歌うことなのに、今は本意ではない仕事を黙々とこなす葉子。演じる前田さんの表情がいい。カメラの前では笑顔を取り繕い、仕事が終わると誰とも交わらずホテルの部屋に一人こもる。その様子からは、葉子の不安や緊張、孤独が伝わってくる。だからこそ、「愛の讃歌」を歌唱する場面では、葉子と共に心を開放させる気分に浸れた。
黒沢監督が「Seventh Code」(2014年)、「散歩する侵略者」(2017年)に続き前田さんを起用。一人の女性の成長をエモーショナルに描いた。ホラーやサスペンスのイメージが強い黒沢監督の作品を日ごろ敬遠しがちな人にもお薦め。「日本・ウズベキスタン国交樹立25周年」記念プロジェクトで作られたウズベキスタンとの初合作映画。両国の浅からぬつながりを知ることもできる。(りんたいこ/フリーライター)
ディズニー・アニメーション「ズートピア2」(ジャレド・ブッシュ監督・バイロン・ハワード監督)が12月5日に公開され、初週に続き2週目も国内ランキング1位を記録。「アナと雪の女王2…
ジェームズ・キャメロン監督の映画「アバター」シリーズ3作目となる最新作「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」が12月19日に日米同時公開される。各種配信サービスが普及し、映画…
人気グループ「なにわ男子」の高橋恭平さんが12月12日、東京都内で行われた、主演映画「ロマンティック・キラー」(英勉監督)の初日舞台あいさつに登場した。高橋さんは「皆さんは多分ま…
俳優の吉沢亮さんが12月10日、ファッション誌「ELLE (エル)」(ハースト婦人画報社)が主催する映画賞「ELLE CINEMA AWARDS 2025」で、今年目覚ましい活躍…
鈴木福さん主演の映画「ヒグマ!!」(内藤瑛亮監督)の新たな公開日が、2026年1月23日に決定した。同作は当初11月21日に公開予定だったが、国内でクマによる被害が多発しているこ…