テレビ質問状:「つるさんかめさん~ニッポン算額探訪~」各地の算額問題に挑む

番組「つるさんかめさん~ニッポン算額探訪~」の場面カット
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番組「つるさんかめさん~ニッポン算額探訪~」の場面カット

 WOWOWは、7月13日から毎週土曜午後1時にWOWOWプライムで旅番組「つるさんかめさん~ニッポン算額探訪~」を放送する。全6回で第1回は無料放送。同番組はオリジナルの新感覚の旅番組で 全国各地に点在する数学文化の名残を訪ねる。「和算」と呼ばれる算術は、江戸時代に発展し、和算の問題や解法は、額や絵馬に記され、「算額」として神社仏閣に奉納されている。番組では、京都を拠点に活動する演劇集団「ヨーロッパ企画」のメンバーがそれぞれ、京都、長野、宮城、奈良、愛知、東京の神社仏閣を訪れ、自らのスキルを駆使して算額問題に挑む。さらに、神社仏閣近隣の史跡や景勝地も紹介。番組を担当したWOWOWスポーツ局スポーツ部の加賀爪充穂子さんに、番組の魅力を聞いた。

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 ――番組の概要と魅力は?

 神社仏閣に奉納されている「算額」を訪ねて、そこに描かれている和算の問題に挑戦する番組です。全国に900枚ほど残っており、有名な観光スポットにも掲げられているのですが、「算額」の存在はあまり知られていないようです。見れば確かに、デザインも他の絵馬と違うし、実はそれが幾何学の問題だったりする。江戸時代に流行した日本独自の算術「和算」ブーム。それが高じて生まれた奉納の習慣。忘れられていただけに、新鮮な感覚で楽しめると思います。

 ――今回のテーマを取り上げたきっかけと理由は?

 実は「算額」のことをまったく知らなかったのですが、そういうものがある、と聞いた瞬間、興味が湧きました。これは私だけの反応ではなく、他の人に話しても「何それ?」と強めのリアクションが返ってきたので、これはいけそうだ、と思いました。

 ――制作中、一番に心がけたことは?

 (私を含めた)算数、数学が苦手な人にも、番組を見て、面白かった、新しいことを知ることができて得をした、と楽しんでもらえるように心がけました。同じ問題を見ても、特に理系と関係なくても、どんどん解こうと取り組む人もいますが、(私のように)ただ頭が真っ白になり、解答の説明を受けても、なかなか理解できない人もいます。個人的には、結構正解を出せてしまう人が多いことに驚きました。

 ――番組を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったエピソードは?

 出演者のお芝居が面白すぎること。番組には、ヨーロッパ企画という劇団に所属している方々に出演をお願いし、各回それぞれ違う役者さんに案内役を演じてもらっているのですが、予想以上に楽しくて、あとで編集するのが大変。皆さん、番組の趣旨をよく理解してくださって、番組として伝えたいことはしっかり表現してくださった上の結果なので、ありがたいことです。

 ――番組の見どころを教えてください。

 各回それぞれに個性ある「算額」をご紹介しています。和算独特の発想や幾何学問題の色遣いなどを、江戸時代から明治時代初期まで続いたブームに思いをはせながら、鑑賞したり、問題にチャレンジしてりしていただけるとうれしいです。また、「算額」「和算」の面白さを引き出してくれるヨーロッパ企画の方々のお芝居もぜひ楽しんでいただきたいです。

 ――視聴者へ一言お願いします。

 江戸時代の「和算」ブームは、身分や世代を超えて、多くの人たちが算術問題に取り組み、楽しんだ、と伝えられています。一生懸命頭をひねって計算を重ね、ついに正解にたどり着いた時の感動は、現代人が、その同じ問題を解いて得られる達成感と同じかもしれません。時代を超えて、同じ気持ちを感じているのかな、というふうにも見てもらえたら、と思っています。

 WOWOW スポーツ局スポーツ部 加賀爪充穂子

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