ボイス 110緊急指令室:好調の理由は「ごまかさないシリアス表現」 プロデューサーが語る意図

連続ドラマ「ボイス 110緊急指令室」の場面写真 =日本テレビ提供
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連続ドラマ「ボイス 110緊急指令室」の場面写真 =日本テレビ提供

 俳優の唐沢寿明さん演じる敏腕刑事が凶悪事件に立ち向かう連続ドラマ「ボイス 110(イチイチゼロ)緊急指令室」(日本テレビ系、土曜午後10時)。平均視聴率が2桁をキープするなど好調だ。これまで、同局の土曜10時のドラマ枠では、ファミリー向けのドラマが続いていたが、本作では一変。時間内に犯人を検挙しないといけないというハラハラさせる展開や、地上波のテレビドラマでは珍しく暴行シーンをきちんと描くなどして、作品にはまる視聴者が増えている。「理不尽な死や暴力をリアリティーを持って伝えるためには、ある程度の痛みが伴わないと、表現できないと思った」と語る尾上貴洋プロデューサーに、シリアス表現の意図を聞いた。

 ◇日テレ、骨太ドラマに本腰

 ドラマは、犯罪被害者からの110番通報に迅速に対応すべく、警察の緊急指令室に特設された独自捜査ユニット「ECU」が舞台。猟奇殺人犯に妻を殺され、犯人への復讐(ふくしゅう)に燃える凄腕(すごうで)刑事・樋口彰吾(唐沢さん)と、父を殺害された緊急指令室の室長で、どんなかすかな音も聞き逃さないボイスプロファイラー(声紋分析官)・橘ひかり(真木よう子さん)らの活躍を描く。

 同局の土曜10時のドラマといえば、これまで家族で視聴できるライトなドラマが多く放送されてきた。尾上プロデューサーによると、「日本テレビの方針として、土曜10時のドラマ枠で、大人向けの骨太なミステリーやサスペンスを多く作っていこう」と転換。その第1弾が、同じく尾上さんがプロデューサーを務め、俳優の坂口健太郎さん主演で1月期に放送された、連続ドラマ「イノセンス 冤罪(えんざい)弁護士」だったという。

 尾上さんは「『イノセンス』は1話完結ものとして作ってきて、満足のいくものができました。さらに連続ドラマならではの醍醐味(だいごみ)を、骨太エンターテインメントとして制作できないかと考えた」といい、そんな時に、日本でも人気を博した韓国のサスペンスドラマ「ボイス~112の奇跡~」のリメークを企画した。

 ◇ハードな演出で「痛み伝わる」

 これまで、菊池桃子さんや吉川愛さん、矢作穂香さんらが事件被害者として出演。殴る蹴るの暴行を受ける……というハードなシーンをごまかさずに描いたことで、「圧倒された!」「怖い!!」といった反響があった。

 こうしたシリアスで、ある種凄惨(せいさん)なシーンを地上波で放送することに、尾上さんは「土曜10時の枠で放送するのに、どこまで暴力表現を描くか、かなり葛藤しました」と告白。

 しかし「理不尽な死や暴力をリアリティーを持って伝えるためには、ある程度の痛みが伴わないと、表現できないと思いました。(シリアスな描写が)『刺さってくる』『不快な気持ちになる』というのは、やっぱりリアリティーのある痛みが伝わっているからだと思います。それを損なわないよう演出、表現しています」と語る。

 初回放送前に行われたインタビューで、唐沢さんに見どころを聞くと、「全体的に怖いんですけど、怖いもの見たさというか、見ていくとはまるタイプの作品ですね。絶対的に自信があります」と力強く語っていた。唐沢さんの自信通り、多くの視聴者がはまる中、物語はいよいよ佳境を迎える。終盤の展開にも目が離せない。

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