現在放送中の連続ドラマ「サウナーマン ~汗か涙かわからない~」(ABC)で主演を務めている俳優の眞島秀和さん。ドラマはサウナを舞台に、眞島さん演じる黒柳ヨシトモとサウナにやってくる客たちとの交流を描いた作品で、眞島さんが個性豊かな“サウナーマン”たちとの裸の付き合いを熱演している。話題を集めたドラマ「おっさんずラブ」でも注目を集め、今作で主演を務めた眞島さんに、サウナへの熱い思いや主演を務めた心境、さらにさまざまな役を演じるうえで心掛けていることなどを聞いた。
ウナギノボリ
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ドラマは、眞島さん演じる10年間涙を流していないヨシトモが、サウナにやってくるさまざまな客たちとの交流を通じて心を取り戻していく……という内容。常連客役で山中崇さん、仁科貴さんらが出演しているほか、ゲストとしてでんでんさん、野々村真さん、お笑いコンビ「パックンマックン」、ブラザートムさん、六平直政さんが出演する。
舞台となるのは、最初から最後までサウナ。撮影は6畳ほどのサウナのセットに通う日々だった。「(撮影は)もう、そこだけで(笑い)。ここまで集中して……というのは初めてでしたね」と眞島さん。もちろん“衣装”はタオル1枚のみ。「一日中、裸で過ごしたりもしました。でも、だから『どうしようかな』ということもなく。いつも、与えられる状況を素直に受け入れるタイプなので(笑い)」と楽しそうに振り返る。
演じるヨシトモは、“10年間涙を流したことがない”という、感情の起伏に乏しいキャラクター。どのような状況でも無表情で、第1話では逃げ惑うシーンがあったものの、基本的には座して動かないという難役だ。だが、眞島さんは「内面の動きに集中して演じられるので、芝居の組み立て方はそれほど大変ではなかったです」と淡々と語り、「ただ、そのさじ加減というか……(難しいのは)ちょっとずつ心を開いていく過程をどのように見せるか、というところでした」と話す。
主演として、楽しい空気の現場にすることを心掛けていたといい、「楽しかった」と眞島さん。ただ、撮影ではワンシチュエーションものゆえの苦労もあったという。「ワンシチュエーションの難しさというか、せりふを含め、頭からお尻まで通してできる状態で撮影に臨むことが求められていたので、普段の連ドラより負荷がかかった、というのはあります。会話劇なので、みんなでせりふに追われて練習しながら毎日を消化していった感じですね」と苦労を明かしつつ、「通して演じるからこその間合いやせりふの掛け合いで遊べる、という楽しさもありました」とほほ笑む。
サウナに通う主人公を演じるため、役作りでサウナに通うことはあったのだろうか。そう聞くと「実は僕、月に何回も行くんですよ(笑い)」と自身も“サウナーマン”だったことを明かす眞島さん。数年前にその魅力にハマって以来、多いときは月に6~7回は通っているという。行きつけのサウナに車で出かけていき、2時間ほどの滞在の間、サウナと水風呂に交互に入り、水分を補給しつつ露天風呂のゆったりできるビーチチェアで「なんとなく空を見ながら、ボケーっとしている」のが眞島さん流の過ごし方だ。
サウナ内では、主に人間観察をして過ごす。「サウナにはいろんな方がいるので、なんとなく人間観察しちゃいますね。そこで『会社勤めされている方は、こういう会話をするんだな』と思ったり」。人間観察は役作りを意識して行っているわけではないというが、そうしたサウナ通いが、さまざまな役を演じてきた眞島さんの血肉になっているのかもしれない。また、テレビ付きのサウナでは「ドラマが流れると『こういうふうに、あーだこーだと言いながら見てくださっているんだな』と思います」と、視聴者の反応が見られる楽しさもある。あるときは、自身が出演しているドラマが流れたことがあったと明かし、「まったく気づかれなかったですが」と笑う。
眞島さんといえば、劇場版も公開されるなど話題の連続ドラマ「おっさんずラブ」にも出演。近寄りがたい雰囲気を放つ独身貴族・武川政宗役で人気を呼んだ。眞島さんは「ドラマが放送されているときは、周りでも『見てるよ』とか『ハマった』という声はかなり多かったです。こんなに言われたのは初めて、というぐらいでした」と反響の大きさを明かす。
そんな「おっさんずラブ」ではどこか謎めいている営業所の主任を演じ、今作では感情の見えない男を熱演。数々の作品で、さまざまな役を演じるにあたって、心掛けていることは何か。眞島さんは「そんなにはないです」と控えめに語りつつ、「ただ、切り替えという意味では、サウナはあるかもしれないですね」とにっこり。「(普段は)いろいろな作品のせりふを入れる作業があるので、頭の中が疲れたな、というときはサウナに行ってリフレッシュしています」と“サウナーマン”らしい答えを口にする眞島さん。サウナは「心身ともにリフレッシュできる場所」なのだと思いを明かす。
最後に改めてドラマの見どころを聞くと、「なんだかおかしな、そしてちょっと癖になる作品ができたと思っています」と眞島さん。「最初は『なんだこれ?』というところから入っていただいて、いつの間にか『次はどんなエピソードがあるんだろう』と楽しみにしてくださるといいな、と。噛めば噛むほど味が出てくるような、変なドラマだと思います」と朗らかに笑いながら語ってくれた。
ドラマは、日曜深夜1時57分に関西ローカルで放送中。1話につき3エピソードで、全10回放送予定。放送終了後から「TSUTAYAプレミアム」でこれまで放送された本編とオリジナルエピソードを配信中。
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