スカーレット:CGなし! 戸田恵梨香が1200℃の炎と対峙 初回プロローグシーン舞台裏

戸田恵梨香さん主演のNHK連続テレビ小説「スカーレット」第1回の一場面 (C)NHK
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戸田恵梨香さん主演のNHK連続テレビ小説「スカーレット」第1回の一場面 (C)NHK

 戸田恵梨香さんが主演する2019年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「スカーレット」が9月30日スタートした。第1回のプロローグでは、戸田さん演じるヒロイン・川原喜美子が、自身の作業場で土と向き合う姿や窯から吹き出す炎と対峙(たいじ)する様子が描かれた。同シーンには大きな焼き物窯が登場。実はこの窯、今回ドラマのために制作チームが造ったオリジナル、その名も「スカーレット窯」。中で焚(た)かれる炎の温度は1200度にも達した。CGなどの特殊効果はなし。戸田さんも「実際、そこに立ってみると、もう熱すぎて。距離があってもやけどしそうになるくらい」と炎の熱さを体感。「こんなのCGじゃ絶対に出せない、本物には勝てないなと思いました」と振り返ったシーン撮影の裏側とは……。

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 ◇本物の窯を造ったワケ リアリティーを演出し、ヒロインのキャラクターに深みを…

 「スカーレット」は、101作目の朝ドラで、焼き物の里・信楽を舞台に、女性陶芸家の草分けとなる“究極の働き女子”川原喜美子の波瀾(はらん)万丈な人生を描く。脚本を人気ドラマ「ホタルノヒカリ」シリーズなどで知られる水橋文美江さんが手掛け、語り(ナレーション)をNHKの中條誠子アナウンサーが担当する。

 スカーレット窯は、焼き物窯の古い型式の一つである「穴窯」になっている。半年にわたって放送される「スカーレット」のファーストシーンで、ヒロインが対峙することになる窯と、その中で焚かれる1200度の炎。当初は特殊効果で再現することも考えられたが、「信楽焼を作る」ということのリアリティーを演出し、ヒロインのキャラクターに深みを持たせるために、本物の窯を作り、そこで火を焚くことを制作陣が決断した。

 窯はドラマの美術チームの総指揮のもと、2019年1月にデザイン案から制作がスタート。手作り感や素朴さが伝わる形と質感が重要視され、デザインが仕上がるとそこから約2週間かけて完成させた。ドラマのために窯を一から造ると聞いた戸田さんは、真剣な表情で「ものすごい本気を感じますし衝撃を受けました」とコメント。またスカーレット窯は、中盤以降の重要なモチーフとして再びドラマに登場し、本物の迫力を映像を通して伝えていくという。

 ◇本物の窯と炎と向き合った印象は? 戸田恵梨香も「本物には勝てない」

 プロローグシーンの撮影は2019年5月、スカーレット窯が造られた滋賀県某所で行われた。この日は昼から窯の中にまきがくべられて火が焚かれ、日没後の午後7時ごろから撮影がスタート。窯が設置された小屋の中には、たくさんのスタッフがひしめき合い、窯の中の炎の温度は1200度に。臆することなく窯の中にまきをくべる喜美子を演じる戸田さんの顔が窯の炎で赤く照らし出された。

 本物の窯と炎と向き合った戸田さんは「窯の温度を1200度まで上げるということは聞いていましたが、実際、そこに立ってみると、もう熱すぎて。距離があってもやけどしそうになるくらい」とコメント。その一方で「窯の中を見つめていると、炎の勇ましさだったり、自分の神経が研ぎ澄まされていくのも感じた」といい、「こんなのCGじゃ絶対に出せない、本物には勝てないなと思いました」と振り返った。

 そして本作のために造られたスカーレット窯について、戸田さんは「撮影していく中で、窯のすごさを実感していった」と明かすと、「“ここから喜美子の世界が広がっていって、 作品が飛び立っていくんだな”という未来のことも想像させてくれて、とても感慨深かった です」とも語っていた。

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