緊急取調室 (2025)
第7話 赤い殺意
12月4日(木)放送分
俳優の長谷川博己さんが主演を務める2020年のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合で毎週日曜午後8時ほか)が、いよいよ1月19日にスタートする。2017年放送の「おんな城主 直虎」以来、3年ぶりの戦国大河で、主君・織田信長を自害させた人物としてあまりにも有名な、安土桃山時代の武将・明智光秀(長谷川さん)が主人公だ。物語は天文16(1547)年、光秀がまだ十兵衛と呼ばれていた二十歳の若武者の頃に始まるが、75分拡大で放送される第1回「光秀、西へ」の見どころは……。
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「麒麟がくる」は59作目の大河ドラマで、1991年放送の「太平記」などで知られる池端俊策さんによるオリジナル脚本。私怨により本能寺で織田信長を討った謀反人のイメージを覆す、勇猛果敢かつ理知的な天才・明智光秀を、史料がほとんど残っていない20代の青春時代から描写する。
第1回の冒頭はいきなりの戦シーンになっている。足利幕府の衰退により、混乱期にあった美濃、その国境にある明智荘を野盗が襲撃。そこで若き光秀は家臣と力を合わせて、野盗を追い払おうとするが……と展開する。オープニングのタイトルバックまでの約10分を、この戦シーンに費やしていて、ドローンやGoProカメラを使って撮影されたスケール感と臨場感のある映像と共に、刀を手に段々畑を駆け回り躍動する光秀の姿に、視聴者は新鮮な驚きを覚えるはずだ。
襲撃の際に「鉄砲」と出合った光秀は、美濃守護代・斎藤氏の名跡を継ぐ斎藤道三(本木雅弘さん)に掛け合い、“ある約束”と引き換えに、堺、京へと向かう旅に出るが、その後も「武勇に優れた光秀」が顔を度々のぞかせる。顔つきはりりしくて若々しくて、まるでアクション映画に出てくるヒーローのようにも見える光秀。その姿は第1回のクライマックスまで続く。
もちろん初回から、光秀や道三以外にも、魅力的なキャラクターが次々と登場する。光秀の叔父の明智光安(西村まさ彦さん)、畿内を中心に勢力を広める戦国武将の松永久秀(吉田鋼太郎さん)、室町幕府末期の幕臣・三淵藤英(谷原章介さん)らがそれにあたり、中でも道三役の本木さんの間をたっぷりととった貫禄のある演技に、「大河に戦国が帰ってきた」ことを実感した。
以前インタビューで長谷川さんは「麒麟がくる」を「同時代性も感じるような作品」と位置づけ、「光秀というのは、今の時代に必要な、新しいヒーローなのかなって思うんです」と話していたが、そんな“躍動するヒーロー”明智光秀が活躍する、王道で新しい2020年大河ドラマ「麒麟がくる」をどうかお見逃しなく。
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