唐沢寿明:「エール」息子・窪田正孝を絶賛 裕一の“弱さ”は「彼の真骨頂」 自身は「福島弁の才能ない」

NHK連続テレビ小説「エール」で主人公・裕一の父・古山三郎を演じている唐沢寿明さん (C)NHK
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NHK連続テレビ小説「エール」で主人公・裕一の父・古山三郎を演じている唐沢寿明さん (C)NHK

 窪田正孝さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「エール」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、主人公・裕一(窪田さん)の父・古山三郎を演じている唐沢寿明さん。現在放送中の第11週「家族のうた」では、三郎の体調が芳しくなく、視聴者を心配させているが、唐沢さんは「親は子供より先に老いていくもので、こればかりは順番ですから仕方ないですよね。ずっと生きてたら、死神博士みたいになっちゃうから」と笑う。一方、再会を果たした裕一役の窪田さんについて、「俳優にとって、“強さ”は出せても、裕一のような“弱さ”ってなかなか出せないんですよ。裕一役は、彼の中にある繊細さが存分に生かされた役だと思いますね」と明かす唐沢さんが、ドラマや息子たちへの思いを語った。

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 唐沢さん演じる三郎を一言で言い表すと「憎めないお調子者」だ。「実は、初めて台本を読んだときに、パッと浮かんだ人物がいるんです。僕の知り合いで、三郎にとても雰囲気が似た人がいるんですよ。いつもニコニコしていて、場合によっては怒ってしまいそうなことも、その人だとなぜか許してしまう。なんとかその人の雰囲気が出せないかなあと思いながら、演じました」と唐沢さんは振り返る。

 劇中では福島弁を話している唐沢さんだが、「大変ですね。毎回、自分でもかなり練習して撮影に臨んだのですが、お芝居を合わせるとうまくできない。ちょっと発音が違うだけで、全然違う言葉に聞こえるようで、もう僕は、福島弁の才能がないとしか言いようがないです(笑い)」と、こちらは諦めモードだ。

 そんな唐沢さんは、裕一役の窪田さんと息の合った親子ぶりを披露してきた。「主演の窪田君とは、ドラマでの共演をきっかけに、数年前から交流があります。ですから今回は、父親役に限らず、どんな役でもオファーがあれば出演するつもりでした。ちょうど父子のような年の差でもありますから、いわば父親のような目線で窪田くんを見ていますしね。彼には、もっともっと活躍してもらいたい。そのために、力を貸せることがあればどんどん貸していきたいと思っているんです」と本心を語る。

 改めて、窪田さんについて「才能ある俳優だと思いますね。どの役でも、そのイメージをちゃんとつかんで、物語の世界に入っていける。作品ごとに違う印象を与えることができる俳優です」と絶賛し、「『エール』の裕一役は、ある意味彼の真骨頂じゃないかと思いますね。俳優にとって、“強さ”は出せても、裕一のような“弱さ”ってなかなか出せないんですよ。裕一役は、彼の中にある繊細さが存分に生かされた役だと思いますね」と、窪田さんの俳優として何が優れているのかを言葉にしてくれた。

 主演ぶりについても「頑張ってますよ。主役には主役なりの何かが必要なんです。覚悟も含めて、共演者やスタッフを引き込んでいかないといけない。何で引き込むかは人それぞれですけどね。現場にいると、『何とか引っ張っていこう』という彼の座長としての心意気が伝わってきます」とうれしそうに話していて、「彼にアドバイス? ないですよ(笑い)。違う人間だし、いくら先輩でもこちらからわざわざ助言するなんてことはありません。でも、逆にじーっと僕のことを見ている気配は感じるかな。僕がスタッフたちとバカ話しているのをじーっと見てる。まねしようとしているのかもね」と冗談めかしていた。

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 唐沢さんによると、第11週は「三郎の息子たちへの思いが描かれる週」。「これまで、裕一ばかりを可愛がっていたように見えた三郎ですが、彼には彼なりの考えがあった。それを息子たちにきちんと伝えるんです」と予告し、その上で「それが、三郎が父親として整理しておかないといけないと心に決めていたことだったんでしょうね。(佐久本宝さん演じる次男の)浩二もずいぶん救われたんじゃないでしょうか」と推測する。

 同週で特に印象に残っているシーンを聞くと、「裕一と2人きりのシーンで、彼に『お前らのおかげでいい人生だった。ありがとうな』と告げる場面があるのですが、とても印象的でしたね」としみじみする唐沢さん。

 「人間ってやっぱり、誰かのおかげでいい人生かそうでないかが決まってくるものですよね。特に三郎は、周囲のみんなに助けられて生きてきた人。裕一だけでなく、まさや浩二や店のみんなに支えられながら生きてきた人です。演じながら『みんながいたから幸せだった』と心から思える場面でしたし、三郎のように最後に幸せだったと言える人こそが真の幸せ者なんだと思いました」と実感すると、最後に「このドラマは、音楽でエールを届けようとする夫婦の物語ですが、ぜひとも視聴者の皆さんの力を貸していただきたいと思いますね。『エール』は、皆さんの“エール”で成り立っております! どうぞよろしくお願いいたします」と視聴者に呼びかけていた。

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