坂東龍汰:「弱ペダ」実写映画で鳴子章吉役 ロードバイクを1日6時間練習も「団結力が生まれた」

映画「弱虫ペダル」に出演する坂東龍汰さん
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映画「弱虫ペダル」に出演する坂東龍汰さん

 俳優の坂東龍汰さんが、人気グループ「King & Prince」の永瀬廉さん主演の映画「弱虫ペダル」(三木康一郎監督、8月14日公開)に出演している。同名の人気自転車マンガを実写化した作品で、坂東さんは永瀬さん演じる主人公・小野田坂道と、伊藤健太郎さん演じる今泉俊輔と共に自転車競技部に入部する鳴子章吉を演じている。初のマンガ実写化作品に挑んだ坂東さんに、自身にとって新しい挑戦となった今回の現場について、また芸能界入りのきっかけや俳優としての目標などについて聞いた。

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 ◇「弱ペダ」出演は「信じられなかった」

 映画は、マンガ誌「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)で渡辺航さんが2008年から連載中のマンガが原作。64巻まで発売されているコミックスは累計発行部数が2500万部を突破しているほか、アニメ、舞台、ドラマ化もされている人気作品だ。

 初の実写映画化に、アニメ版を見ていたという坂東さんは「歴史的な瞬間」だと感慨深げに語り、「日本中が期待を寄せる中で、そのキャストに自分を選んでいただけたというのは本当に信じられなかった。でも、この作品に挑戦できるのがすごく楽しみでした。僕はこれまでマンガの実写化作品に出演したことがなかったので、これは絶対に自分にとって新しい挑戦になるなと確信していました」と出演が決まった際を振り返る。

 ◇永瀬廉&伊藤健太郎 同世代の2人から受けた刺激

 運動が苦手で友達がいなかった気弱な少年・小野田坂道が、千葉県の総北高校でロードレースと出会い、自転車競技部の仲間と共にインターハイ優勝を目指す姿を描いている今作。物語の中心ともなる1年生部員を演じた坂東さん(1997年5月24日生まれ)、永瀬さん(1999年1月23日生まれ)、伊藤さん(1997年6月30日生まれ)は年齢が近く、坂東さんは「(同世代の2人から)たくさん刺激を受けた」と話す。

 「廉君も健太郎君もテレビやスクリーンで見ていて、素晴らしい方々だと思っていたので、共演できるのがすごく楽しみでした。実際に一緒にお芝居をしてみると、2人とも本当に坂道と今泉のまんまなんです。2人と掛け合うことで、勝手に(自分の中から)鳴子が出てくるというか……。不思議な感覚でした」と振り返る。

 坂東さんは現場で、「僕はまだ鳴子をどう演じようか悩んでいたんですけど、2人の作り出す坂道、今泉がパッと飛び込んできて、これは僕も返さなきゃいけないなと。そこで、さらに燃えました」と語る。演じる上では「2人のナチュラルな芝居が手助けになっていると毎日感じていました」と明かす。

 永瀬さんに対しては「廉君は年齢が二つ下なんですけど、年下とは思えないくらいしっかりしていて、僕が年下なんじゃないかって錯覚させられるほどでした」といい、「時にはきちんとしかってくれたり、座長としてものすごく現場を引っ張ってくれました」と感謝する。

 伊藤さんは「超器用で完璧」だと表現。カメラが回っていないところでも「健太郎君とは鼻に傘を乗せるゲームをしたんですけど、全然落とさないんですよ!」といい、「彼は何でもできちゃう天才肌だなと思いました」と感心していた。

 ◇撮影は「本当の部活のよう」

 今作ではキャストが吹き替えなしでロードバイクに挑戦した。クランクイン前からハードなトレーニングを積んだ。「3カ月くらい自転車の練習期間があって、基礎から取り組みました。1日6時間くらい練習する日もあって、その中で団結力も生まれたように思います。撮影に入る前に皆と仲良くなれたのは、今回すごく大きかった気がします」と語る。

 坂東さんが演じた鳴子は関西弁のキャラクターだ。北海道出身の坂東さんは「僕の中では合っていると思うのに、違うと言われて、何が違うのか分からなかった」とイントネーションには苦戦した。だが、「廉君が関西弁を話せるのでアドバイスしてくれて。何だか先生みたいでした(笑い)」と語り、「関西弁は僕が今までにやったことのない挑戦だったので注目してほしいです」とアピールする。

 撮影後には、毎日のようにキャストがそろって食事に行くほど仲が良かったといい、「スタミナがいるので焼き肉率高めでした(笑い)」と懐かしむ。「ホテルに帰ってからも皆で怖い話したり、次の日も早いのに結局遅くまで起きていたり。先輩役の竜星涼くん、柳俊太郎くん、菅原健くんも僕らを優しく包み込んでいてくれたというか、そのお陰で1年生組は伸び伸びと撮影に臨めました。本当の部活みたいで楽しかった」と振り返った。

 ◇高校卒業後、芸能界入りを決意 「もっと自分の芝居を追求したい」

 坂東さんは現在23歳。米ニューヨークで生まれ、北海道で育った。高校卒業を機に上京。2017年から芸能活動をスタートさせ、ドラマ「パーフェクトワールド」(カンテレ・フジテレビ系)や「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」(読売テレビ・日本テレビ系)、映画「十二人の死にたい子どもたち」(堤幸彦監督)などに出演してきた。

 坂東さんは小学校4年生から地元の小さな劇団に所属し、年に一度舞台に出演していたという。「当時から人前で何かをするのが楽しいと感じていて、その気持ちが年々大きくなっていきました。高校を卒業するタイミングで、もっと自分のお芝居を追求してみようと上京を決めました。今この場所にいられることがすごくうれしいです」と語る。

 ◇デビュー3年「スポンジのように多くのことを吸収する段階」

 今年で俳優デビューして3年になる坂東さん。「まだまだ経験も足りないし、吸収する段階だと思うので、とにかくいろいろな役に挑戦したい。スポンジのように多くのことを吸収して、一つ一つの現場でしっかりそれを絞り出せる役者になりたい」と目標を掲げる。

 坂東さんは「このお仕事って先が見えないじゃないですか。でも、次に何がくるのか、誰と出会えるのか分からないこその楽しさがあると思うんです。そういうワクワク感を持ち続けながら、いつまでもフレッシュな気持ちでお芝居を続けていきたいです」と目を輝かせた。

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